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【作詞】歌詞を彩る「韻」の世界

洋の東西を問わず、作詞の世界で使われるテクニックの一つに、押韻、つまり韻を踏むというものがある。そして韻には「頭韻」、「脚韻」、「中間韻」と複数の種類があることをご存知だろうか?

ラップはもちろん、ポップスの作詞においても用いられる韻だが、実は詞や詩にかぎらず、キャッチコピーのようなビジネスの世界でもよく使われている手法である。

セブンイレブン、いい気
インテル 入ってる

この記事では、ポップス曲で押韻をどう効果的に活用できるかを考えていきたい。なお中間韻に関しては日本語ではあまり使われず脚韻に含まれている節があるため、ここでは省略したい、

押韻とは?

韻を踏むこと、押韻、とは、フレーズの頭または末尾の「母音を合わせる」ことである。これ以上でも以下でもないシンプルなルールだが、それゆえに面白く奥深い手法である

脚韻

韻と言えば、まずイメージするのはフレーズの末尾をあわせる脚韻だ。先程の企業キャッチコピーもそうだし、韻の基本であり主役といえるかもしれない。

実際の歌詞中での使われ方の例として、Mr.Childrenの名曲『CROSS ROAD』の出だしを見てみよう。

lookin' for love 今建ち並(なら)ぶ
街の中で口ずさむ
「ticket to ride 」あきれるくらい
君へのメロディー

遠い記憶の中にだけ 君の姿探しても
もう戻らない でも忘れない
愛しい微笑み

Mr.Children『CROSS ROAD』

何気なく聴いていると気づかないかもしれないが、最初のAメロ(ヴァース)内で3つも脚韻(あるいは中間韻)を踏んでいる非常に優れた歌詞である。実際に歌ってみると、押韻によって心地よい歌い心地があるのを感じることができるのではないだろうか。歌い心地が良いということは、つまり韻が「曲になじむ」効果もあるということだ。

ちなみに、Mr.Childrenの押韻の達者ぶりは、その道の方々にとっても注目すべきものだそう。

頭韻

頭韻に関しては洋楽に良い例が多いようなので、ビートルズの『Let It Be』の一節から次の一節をみてみよう。

Whisper words of wisdom, let it be.

The Beatles『Let It Be』

1フレーズの中で「W」できれいに揃えているのがわかる。また、既出のMr.Childrenの楽曲『ニシエヒガシエ』では、タイトルにもなっているキーワードが、1サビと2サビで対比されるように効果的な韻が踏まれている。

ニシエヒガシエ

必死で 猛ダッシュです

Mr.Children『ニシエヒガシエ』

なお、ビジネスにおいてはディズニーが頭韻を効果的に使ってキャラクターのネーミングをしている。おそらくこれは偶然ではないはずだ。

Mickey Mouse
Minnie Mouse
Donald Duck
Daisy Duck

まとめ

いかがだっただろうか?押韻は、語呂にリズムを生み、楽曲に言葉が馴染むとともに、オーディエンスの印象も高めることができる優れた手法である。ぜひ、あなたの作詞にも積極的に取り入れていただきたい。

では、よいDTMライフを!


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