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第一回PRKCレポート

こんにちはkinghaloです。今回は、先日行われたPRKCのデータのまとめが終了したので公開したいと思います。
PRKCってなんぞや?という方に簡単に説明させていただくと、「KC前に数十人規模で勝敗付けながら無限にポイントバトルやってデータを合体させれば環境把握が完ぺきにできるんじゃね?」という試みです。
よくある大会データなんかだと分布や勝率と言っても多くて128人、数十試合程度なものですが、今回のPRKCでは2416試合のデータを基にして詳細なレポートを作成しています。
そもそもKCのためのレポートを作る目的で開催していますから、トーナメント形式の大会のおまけとしてのレポートとは質、量ともに大きく違います。

今まではスピードデュエル、マスターデュエルでのみ開催していましたが、今回は年に一度のWCS予選なのでラッシュデュエルでの開催を試みました。
同様の企画であるPKC、PDCでは毎回のように参加者の中から上位入賞者が誕生しているので、PRKCも非常に有用なデータになると思っております。

レポートでは各テーマの詳細な対面勝率の他、優秀な成績を収めたデッキのレシピを全て掲載している上、入賞デッキ毎の詳細な試合データも別途まとめています。
また
今回は僕も含めたラッシュ新参勢でもわかるようにテーマの解説も多めにいれています。そちらも参考にしていただければと思います。

KCカップに本格的に取り組むのであれば、必ず手に入れるべき内容だと思っています。
実際にどのようなものなのかを詳しく知りたい方のために、他の部門ではありますが同様のレポートを公開しておきます。これを見ればより優秀なレポートであることがわかるはずです。


分布

分布はこのようになりました。
最新弾『鋼鉄のカレイドミラー』で大幅に強化されたサイバースと最強の2テーマが分布の大半を占めており、火麺とグッドスタッフ(以下GS)がそれに続いています。
デッキの種類自体はそれほど多くありませんがテーマと採用札による相性差は各テーマにしっかり存在するので、少ないテーマが高速でメタを回し続ける環境のように思えます。
このような環境では走るタイミングや使うデッキの選択でかなりポイントに差がつくように思えます。
それではまずは環境テーマの性質について簡単に確認していきましょう。

テーマ解説

データを見る前にシェア表に載っているテーマを簡単におさらいしておきます。
ここを読めば今からでもラッシュWCSに参加できるんじゃないかなと思います。
けっこう力を入れてるので面白かったらお布施代わりにデータの購入もお願いします!!

ラグナロックサイバース

トップシェアはサイバースでした。
サイバースの最大の特徴は圧倒的な安定感です。

スキル『マキシマム・ラグナロック』はこのゲーム屈指の強スキルで、カードを1枚デッキに戻すことで2体分のリリース素材を用意しつつ相手モンスターの打点を下げることができます。
スキルを用いて最上級を1体リリースで出す場合と普通に最上級モンスターをアドバンス召喚する場合でリソースの消費量は変わらないのですが、
①デバフをかけることができるので殴り返しの効率が格段に良い
②下級1枚と好きなカードで最上級を出せるために不要牌を抱えてしまうリスクが他のデッキより圧倒的に少なくなる
という2点によりラッシュの宿命である引きムラを抑えることができています。
また、新弾でとんでもないカードが追加されています。

『カオスフェムトロン』
このカードは紙の方のラッシュデュエルで今年4月に発売されたばかりのカードです。
効果が非常に強力で、デッキの上3枚を見て1枚加えながら2枚を墓地に肥やすカードです。
現状のラッシュデュエルの下級の中では頭7つくらい抜けた性能を有しており、このカードの存在もサイバースの安定感に寄与しています。
どのくらい性能が抜けているのかをスピードデュエルに例えるならば、森羅で坊主めくりを楽しんでいた時代に突然空牙団が現れて世界が崩壊したのと同じような性能差です。

この2点だけでも非常に強力に感じると思うのですがもうひとつ強力なポイントがあります。
マキシマム召喚を扱える点です。

マキシマム召喚とは特定のパーツ3枚を揃えて手札から合体召喚する召喚方法で、出しにくい代わりにめちゃくちゃ強い(笑)という特性を持っています。
本当にくだらないギミックなので消したほうがいいと思うのですがマキシマム召喚の威力は絶大で、ユグドラゴの場合は打点4000、相手モンスター1枚破壊、相手モンスター1体を強制攻撃表示にする(これが本当にカス)という効果を持っています。
基本的に回答がなければ詰むので早いタイミングでこいつが運良く揃ってしまうとそれだけで勝てるゲームが発生します。
圧倒的安定感を持ちつつも上振れもデッキに仕込めているのがサイバースの特徴です。

弱点としては、守備力が低いモンスターのみで構成されているので、貫通や剣盾系のカードに非常に弱いことです。

PRKC開催時は最強へのメタが強く、若干サイバースへのガードが低かったように思えるのでこの辺のカードを各デッキがしっかり搭載してきた場合にどうなるのかなという不安点があります。
そしてもう一つ、専用スキルを使えるのがイベ限キャラなので今から組むのは不可能です。

最強

サイバースとほぼ同率のトップシェアです。2強と言って差し支えないと思います。
最強の特徴は、環境随一のライフカット性能の高さです。

スキルを使用することで、不要牌をエイムイーグルに変換することができます。

エイムイーグルは要約すると俺を使ってアドバンス召喚すれば打点が1000上がりますよ、と書いているのでとんでもない高火力を毎ターン出力することが可能です。
このスキルのギミックにより、ある程度の回りの安定感を獲得しつつ、ライフレースで常に優位に立つことができます。
また、エースアタッカーの性能が環境で一番高いのも特徴です。

『鋼機神ミラーイノベイター』
墓地のカードをデッキに戻しながら打点を上昇させる効果を持っています。
前述のエイムイーグルと組み合わせると、攻撃力4000は簡単に超えることができますし、最大打点はレベル7を3枚戻した場合の5500です。
このゲームのLPが6000であることを考えるとイカれたカードと言わざるを得ません。
イノベイターの存在により、運だけマキシマムに抗える手段が非常に多いのも最強の利点です。
また、打点上昇だけでも強力なのですが、何故かイノベイターには貫通効果も付いています
序盤はイノベイターで貫通してライフレースで優位に立つ、終盤はムキムキのイノベイターで殴って突然勝つ。このカードだけで試合に勝つことができます。最強カードです。

弱点としては、イノベイターしか強くない点が挙げられます。
イノベイターの性能は圧倒的なのですが、それ以外のカードはそこまでスペックが高くありません。
もちろん安定して3500打点のアタッカーは立てることができるので誤魔化しは聞きやすいのですが、イノベイターを引ければ勝つが引けなければ負けるしょうもないデッキという側面は捨てきれず、引きムラに悩まされます。
また、トップシェアであることからメタの風当たりが現状非常に強い点も見過ごせません。

同程度のシェアを誇るサイバースには別段刺さらない燃尾之急を3枚入れているような構築も存在し、不当に負けるパターンも多いです。
このあたりはメタゲーム次第なのでなんとも言えませんが、このゲームで唯一イベ限カードが存在せず今すぐ組める環境デッキである最強はメタと関係ない理由でシェアが下がりづらくメタることで成果を上げやすいことを考慮すると、3日間いじめられ続ける可能性も無視できません。

火麺

環境3番手です。火麺の特徴はバーン効果によってビートダウン以外の勝ち筋を作ることができること、またそれによってビート補助カードを採用する必要性が薄く、その分ふんだんに罠カードを採用できることから生まれるメタ性能の高さです。

スキルはそれなりに優秀で、アドバンス召喚で消費した下級カードを回収することができるので燃費が非常に高く安定して最上級+下級2面の盤面を作ることができます。
火麺にはミラーイノベイターに勝るとも劣らない強力なエースアタッカーが存在します。

『火麺上忍カエダマゴックブート』
自分フィールドのモンスターをコストに1000バーンと1ドローを行うカードです。
普通に使っても強力な効果なのですが、スキルを使うと実質無料で打ててしまう点が非常に凶悪です。

豊富な自由枠に搭載した罠をドロー効果で引き込むことでカエダマを場に維持し、毎ターンの1000バーンで相手を追い詰めることを狙います。
スキルにバフ効果も付いているので実質3000打点でビートができるためアタッカーとしての性能も上々です。

火麺の最大の利点は冒頭でも書きましたがビートダウンを補助するカードを採用しなくても良い点です。
他のデッキはなんとかして相手の最上級をどかせながらダイレクトアタックを決めることで相手のライフを奪いますが、火麺の場合はカエダマによるバーンが強力なので、相手の下級を数回殴ることである程度ライフを奪うことができさえすればバーン込みでリーサルが狙えます。そのため極論をいうと相手の最上級を無理して突破する必要がありません
そのため、盤面を取りに行くカードではなく耐えるための罠を多く採用する事ができます。
採用する罠によって有利不利をコントロールすることができるため、サイバースと最強の分布に応じて札を入れ替えながら走る立ち回りは強力な上に楽しそうです。
とはいえ環境読みが鋭くなくてはいけないのでKC形式上級者向けのデッキであるとも言えると思います。

火麺がバーンによる勝ち筋を狙えるもう一つの利点は、環境最強罠である無力化のリスクが少なくなることです

あまりにも最強カード、通るだけでライフレースで1000億倍有利になれるレジェンド罠です。相手が通して自分が通せなければだいたい負けるクソカードです。
基本的に直撃すると負けるので他のテーマはバック干渉カードを3枚以上採用することでケアするのですが、火麺の場合カエダマの効果を複数回起動することができていれば、無力化が直撃した場合に相手が得する以上のライフポイントを奪えているため基本的にデッキがきちんと回っていれば無力化のリスクを克服できていることになります
殴る回数を少なくできるバーン効果はラッシュデュエルでは非常に強力です。

弱点としては、スキルで手札を入れ替えるわけではないため、引きムラが2強デッキに比べて多いことです。
ブン回られたときには最強デッキに見えるのですが、簡単に勝てる場合も多くここがストレスになるのかなと言った印象です。
また、サイバースとおなじくエーズの守備力が非常に低いので、剣盾系のカードで頓死するパターンも考えられます。
サイバースへのメタに巻き込まれるリスクがあるので、最強が下火になった場合には注意が必要です。

グッドスタッフ(以下GS)

グッドスタッフはラッシュリンクス初期から存在するアーキタイプです。
最大の特徴はラッシュデュエル最強のクソカード、連撃龍ドラギアスを使えることです。

ラッシュリンクスの大体のデッキはカード性能+スキル補助を用いて事故を防ぎつつ安定して立ち回ることを目指していますが、GSが採用するスキルは他のスキルと比べると全く強くありません。

ハンマークラッシュをちょっとお得に打てる(笑)だけのスキルです(弱いわけではないです)
なぜこんなスキルを用いるデッキが環境に存在するのか?
ドラギアスがあまりにも強すぎるからです。それだけでこのアーキタイプは存在できています。

また、他のスキルは採用モンスターに重い縛りが存在しますが、GSはスキルが弱い代わりに成約は存在しないので、モンスターや魔法罠の採用自体は自由自在です。
そのため環境に応じて採用札を柔軟に変えることができます。
毎度のラッシュKCで最終日にGSが上がってくる理由はここで、煮詰まった環境に照準を合わせてドラギアスを補助するデッキを組んでやるとドラギアスが強すぎて勝ってしまうのです。

弱点としては、まず構築が難しいことが挙げられます。あくまでメタ側のデッキなので鋭い環境読みがと広いカードプールが必要なので今から始める勢には向いていなさそうです。
また、ドラギアスにすべてを賭けているため、引きムラが大変なことになっています。
あくまでドラギアスが強すぎるだけのデッキなのでドラギアスを引かない時は紙束に近いと言わざるを得ません。
10連勝するけど10連敗するタイプのデッキですね。まさしく最終日向けのお祈りデッキです。いちおう新規勢はドラギアス3枚は持っておいたほうがいいかもしれません。

ハーピィ

遊戯王でおなじみのハーピィ・レディを駆使して戦うデッキです。
ハーピィの最大の特徴は最上級をほとんど採用しないことによるダントツの事故率の低さです。
他のテーマは最上級を5~8枚ほど採用するためどうしても手札事故、ドロー事故が発生してしまいますがハーピィは基本的に星5,6のアタッカーを軸に構築されているのであり得ない事故は発生しにくいです。
また、ハーピィを補助するスキルも強力です。

スキルによりハーピィ三姉妹の打点が少なくとも2600、真ん中は自身も打点上昇効果を持つので1体アドバンスで3100打点を形成できます。
そのため、他のデッキに比べて3面展開しつつ切り返せるパターンが非常に多く殴り合いで負けることは少ないです。
また、スキルに相手のモンスターを立てる効果が付いているのでライフ窃盗も得意で相手の下振れ3面横展開をしっかり咎める事ができます。
この点も事故が少ないハーピィと噛み合っていて、しっかりと再現性の高さを相手に押し付けることができます。

また事故りにくい性質上、下級の枚数を抑えても問題が発生しにくいので他のデッキよりも自由枠が多いです。
そのため環境に応じた罠を採用する余裕もあります。

弱点としては、あくまで安定を取るデッキなので逆に上振れは少ないです。
ハーピィ+下級×2で毎ターン1000~2000円のライフを徴収することを目指すデッキなので最上級を搭載しているテーマの上振れアタックを一度許してしまうと立て直すことが難しいです。
自分のデッキはラッシュ特有の引きムラから開放されたとしても相手のデッキには引きムラが存在するので、ラッシュデュエルのゲーム性から完全に逃げることはできません
事故るデッキには逆に神のハンドも存在します。
また、ハーピィも守備が低いという弱点が存在するのでサイバースメタの流れ弾を食らう恐れがあります
総じて安定はするが決してパワーが高いデッキというわけではないので環境のインフレについていけるかどうかが鍵になりそうです。

それでは各テーマのおさらいが終わったところで詳細なデータを確認していきましょう。

これから下で公開するデータの数値についてですが参加者の入力ミス等によりデータに錯誤が生じている場合があります。
±3%程度で目安として見てもらえればと思います。

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