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第28回PKCレポート

こんにちはkinghaloです。今回は、先日行われたPKCのデータのまとめが終了したので公開したいと思います。
PKCってなんぞや?という方に簡単に説明させていただくと、「KC前に数十人規模で勝敗付けながら無限にポイントバトルやってデータを合体させれば環境把握が完ぺきにできるんじゃね?」という試みです。
よくある大会データなんかだと分布や勝率と言っても多くて128人、数十試合程度なものですが、今回のPKCでは2416試合のデータを基にして詳細なレポートを作成しています。
そもそもKCのためのレポートを作る目的で開催していますから、トーナメント形式の大会のおまけとしてのレポートとは質、量ともに大きく違います。
また、参加者には厳しい参加条件を設けています
具体的には、過去1年間のKCで上位500位以上に入ったことがある、もしくは直近のKCで400戦以上走った(=モチベーションが非常に高いこと)です。
この結果、1試合の質も保証されています。今回は、18名の金アイコン保持者と20名以上の銀アイコン保持者が集まった上、参加者の人数も70人を超えました。
やはり、実力者同士の試合とそうでない試合とでは結果が大きく変わるのが遊戯王です。実力者同士の試合だからこそデッキのポテンシャルを正確に計ることができるのではないでしょうか?
レポートでは各テーマの詳細な対面勝率の他、優秀な成績を収めたデッキのレシピを全て掲載している上、入賞デッキ毎の詳細な試合データも別途まとめています。
PKC参加者の中から毎回金アイコンが出ていますから、今回も世界最強のデッキが眠っているかもしれません。
前回のPKC参加者の中からも複数名の金アイコン、銀アイコン獲得者が誕生しました。
KCカップに本格的に取り組むのであれば、必ず手に入れるべき内容だと思っています。
実際にどのようなものなのかを詳しく知りたい方のために、前回、前々回のレポートを公開しておきます。これを見ればより優秀なレポートであることがわかるはずです。


分布


分布はこのようになりました。
前回タキオンと不知火の2デッキだけで分布の8割を占めていた完全な2強環境でしたが、今回は打って変わって多くのデッキが群雄割拠する雑多環境となりました。

今回はデュエルリンクスにしてはかなり珍しく新ボックスが1つしか追加されていない状態でスタートするKCですが、ストラクテーマがしっかりと環境に入りつつ、タキオンに抑えつけられていた準環境デッキと新弾のテーマが上手く拮抗していてマジでバランスが良い環境に見えます。

これだけデッキが多いと何を選択すればいいか悩むところですね。特に前回の環境はタキオンと不知火上手い奴決定戦でデッキ選択で差がつかなかったので、デッキ選択で勝負する僕のようなプレイヤーには厳しい環境(※筆者の翔太くんのこと)だったと思います。
しかし今期はこれだけ多くのデッキが使用候補にあがるので、間違いなくデッキ選択は重要な要素です。今回のダークホース枠は一体どれなのか、環境デッキ間の相性はどうなのか、データを通して当たりデッキを見つけていきましょう!

これから下で公開するデータの数値についてですが参加者の入力ミス等によりデータに錯誤が生じている場合があります。
±3%程度で目安として見てもらえればと思います。

相性表

クロニクル青眼

トップシェアは青眼でした。
全体勝率はまずまずではあるものの、同程度のシェアのTGに大きく負け越していますね。スキルの発動条件が召喚である都合上ハルバードとはどうしても相性が悪いようです。受け継ぎし魂の制約の都合上、聖槍1枚で2妨害分消えてしまう危険もあるので先後ともに根本的な相性の悪さを感じますね。
ただし不知火や閃刀姫などにはかなり良い数字を出しているので、有利を取れるところからしっかり絞り取るタイプのデッキなようです。
このゲームの青眼は環境に入ってはいつも勝ち切れないイメージがありますが今回はどうなのか気になりますね。

TG

TGはTGでアンデアイズに大きく負けしています。
妨害の「質」自体は高いデッキですが、「量」が多いデッキではないので手数が多いデッキに対してはどうしても苦しいようです。またTG側の構築は聖槍3積みがデフォルトなのでこれがアンデに対して完全に不要牌になってしまうのも不利な要因かなと思います。
TGは先攻の展開ルートはそこまで難しくないですが後攻にかなり技量差が生まれます。使用者を選ばずにこの試行回数で全体勝率が50%前後に落ち着いているのは十分強デッキと言えるのではないでしょうか。

アンデアイズ

青眼がTGに負け越し、TGがアンデアイズに負け越し、じゃんけんなのかと思いきやちゃんと青眼に勝っているのでデータだけ見れば今回の大本命は圧倒的にアンデアイズに見えます。
後述の詳細テーマ勝率を見ればわかりますが今回のデータで勝ち越せているデッキはなんと青眼とアンデアイズだけです。基本的にどのデッキにも何かしらの重めの不利デッキが存在して勝率を落としていますが、アンデアイズはそれがほぼないので圧倒的ですね。
今回はアンデアイズを中心にメタが回っていくのは間違いなさそうです。

不知火

スキルの弱体化とリミットを同時に受けたもののまだまだ現役なようです。
不知火も手数があるデッキなのでTGに対して通りがいいですね。こうして見るとTGはハルバードキャノンの通りの良さがそのまま相性として出てしまっているのが問題点として挙げられそうです。
反面青眼に対しては負け越しているのはDDクロウの採用がほぼデフォルトになっているのが若干向かい風といったところでしょうか。

閃刀姫

分布表に載ってる中ではダントツで終わってる勝率ですね。構築が固まってないのはあるにせよこれは負けすぎですね。
後攻の時に光るものはあるものの、先攻の脆さを解決しようとするとデッキが弱くなる板挟みに遭っていそうです。
あとはスキルで初動率を担保してもらえていないのでしょうもない事故を起こしがちなのも気になるところです。
ただマルチロールとエンゲージはデュエルリンクスにおいてはオーバースペックなカードだと思っているので、強い構築が出てきたら可能性はあるかなとおもっています。

シャドール

アンデにボコボコな以外は悪くない数字が出ているようには見えます。少なくとも前期よりは立ち位置がマシなのは間違いないです。
このデッキは規制もまずされないでしょうし、しばらくはこの微妙に美味しいポジションをキープし続けそうですね。

銀河

個人的に気になってるデッキです。試行回数は少なめですが数少ないアンデアイズに勝ち越せてるデッキですね。オルタナを引かないと8エクシーズにいけない青眼と比較してサンダルフォンにいける確率が段違いですから、その点で先攻勝率が担保されてるのがかなり大きいようです。
ただし青眼とTGに大きく負け越しているので隠れた当たりデッキになれるかというとなかなか厳しいようには見えます。

1時間毎のシェア率の変化のグラフ

環境の変化を予測するためにPKCの各パートでの1時間毎のシェア率の変化をグラフにしてみたので確認してみましょう。

相性表通り、TGの増加とともにクロニクル青眼が数を減らしてますね。
特に興味深いのは第三部で、TGの増加→青眼の減少→アンデアイズの増加→TGの減少→クロニクル青眼の増加と綺麗に推移しています

詳細な相性データ

※入力ミス等により相性表と一部錯誤が生じています。基本的に母数の大きい方を優先しています。母数の少ないデータは参考程度に見ていただければ
試行回数が少ないマッチアップは片側の対面をその他で省略している場合があります

環境外のデッキの勝率がひどいことになってます。
環境にデッキが多いのは間違いないですが、意外とデッキパワーによる足切りのラインは高いです。見たことないデッキが急に大活躍…とは行かなさそうですね。

先後別勝率

まずは全体的な先後の勝率からいきましょう。

綺麗に拮抗しています。良環境か?
参考程度に、前回のタキオン環境の先攻勝率は66%です。

デッキの数もそうですが、今回はコインの結果にも左右され辛い神ゲーの予感がしますね。
とはいえ先後勝率には数字のマジックが存在していて、先攻最強デッキと後手最強デッキが同数存在すると見かけ上は神環境になりつつも実は中身はコイントスゲーだったりします
詳細なデータで真実を暴いてみましょう。

意外と先後の偏差が極端なデッキは少ないですね。本当に神環境の予感がします。
相性表だけ見るとTGとアンデアイズに劣っていた青眼ですが、一番先後のバランスが取れていて悪くないですね。逆にTGは後攻番長寄りで、アンデアイズは先攻優位ではありますが後攻もそこそこ悪くない数字を出せています。

閃刀姫は案の定先攻が脆く、後攻勝率すら出せていないのでやっぱりダメそうです。

入賞デッキ

青眼、TG、アンデアイズがバランス良く入賞しています。
珍しいデッキの番狂わせなどはなく、どれも順当な入賞ではありますが、前回の入賞デッキは7/9がタキオンだったのでデータとしての価値が高くて助かります。
3デッキともほとんど構築が固まっていて今のところどれ使っても練度ゲーになりそうには見えますね。
採用されている手札誘発はクロウとしぐれが特に人気ですね。TG側が先出しアーデクでヴェーラーをケアしてくるのでしぐれに軍配が上がっているようです。
これだけ手札誘発の採用の採用率が上がっていると手札誘発をどれだけケアできるかもデッキ選択の重要な要素になりそうですね。

まとめと展望

お買い上げいただきありがとうございました。
前回はなんだったの?というぐらい環境が落ち着いてますね。改めてかなり神ゲーの予感がします。

また今回は環境デッキのほとんどがゲーム開始時に自己紹介する都合上、デッキ偽装がほとんど起こらないのもポイントですね。デッキ偽装で上手く◯◯を隠れ蓑にして盛った、みたいなデッキが現れ辛そうです。

WCS予選までで最後のKCカップ、2回しかないチャンスの内の貴重な1回です。僕も気が向いたら走ろうと思います。皆さん頑張っていきましょう!

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