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未来の住人PJ発足 ~ 単一素材(モノマテリアル)フィルムの開発にいたるまで

これからnoteの本マガジンを通じて、未来の住人プロジェクトで取り組んでいることを定期的に発信していきたいと思います。

※未来の住人プロジェクトに関する詳しい説明は、下記をご参照ください。


はじめまして、製造業界の経験は2年程度の若輩者ですが、木村石鹸で商品企画から広報・マーケティングなどを担当している金と申します!

1回目の記事では、このプロジェクトの始まりから、パウチ開発に苦労した話をお伝えしていきます。


3社が意気投合して始まった

木村石鹸は石鹸や洗剤をプラスチック製のボトルや詰替えパウチを主に使用していて、以前からなんとかしたいという想いがありながら、中身の品質を担保しながらエコ仕様の容器を実現するのが難しく、打開策が見いだせずにいました。

そんな時に、木村石鹸とは20年以上のお取引関係で、環境に配慮した商品の販売や自治体向けサービスを事業とされているG-Placeさんが、パウチ資材の環境問題への取り組みを進めていたフジシールさんと引き合わせてくれたのでした。

3社の社長が集まって話し合い、「お互いの力を合わせてスモールステップでも、とにかく前に進むために新しい取り組みを一緒にやっていきましょう!」と意気投合したのがこのプロジェクトの始まりでした。
これが丁度2020年の年明けくらいです。


プロジェクト名に込めた想い

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始まり当初はプロジェクトに特に名称などはなかったんですが、これからの未来を生きる”住人”として、地球にできることを探すためのプロジェクトであることと、新たに開発するパウチを、まずは12/JU-NI(ジューニ)シャンプー&コンディショナー詰替え用パウチに採用することをかけ合わせて、「未来の住人プロジェクト」と名付けました。


試行錯誤の連続だったパウチ開発

中身の品質を担保しながらリサイクルしやすいパウチ資材の方向性として、単一素材(モノマテリアル)フィルムであれば、その可能性を探る価値があるということで、複数のパウチを試作して、性能試験をしていきました。

が・・・これが本当に大変でして、、

一般的に市場に流通しているプラスチックのパウチは、品質を担保するため、何層もの複合的な素材が貼り合わせてできているのですが、単一の素材で同じように品質担保を実現することがとても難しい現実を目の当たりにしました。

常温・高温・低温環境で一定期間保管するテストや、重さをかけるテストなど、あらゆる性能試験を行っていくのですが、場合によっては「パウチから液体が漏れる」「液体が変色する」「液体が減量する」など、様々な課題が立ちはだかりました。

これはパウチの材質の問題だけではなくて、液体との相性の悪さによって様々な問題が発生します。


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木村石鹸社内で性能試験を行っている様子の一部ですが、高温の状況でも耐えられるかを見るため、最高で50℃の温度でテスト中の様子です。

通常では50℃の環境で自宅やメーカー倉庫に保管されることはないですが、過酷な環境でも耐えられるかを、容器開発では行われるようです。
逆に真冬を想定して、低温でも耐えられるかのテストも行います。


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空輸で沖縄や北海道などに商品が届けられることも想定して、低気圧に耐えられるかのテストも行ったりします。


木村石鹸とフジシールさんの両社でテストを行い、テスト結果を元にパウチを改良、そしてまたテストを繰り返しながら開発を重ねていきました。
本当に骨が折れる作業です・・・


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3社で集まり、テスト結果を共有しながら、何度も話し合いの場を持ちました。
※思うような結果が出ず、3社で頭を抱えている様子。


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木村石鹸の技術・開発担当 藤井。
藤井も精力的に最後まで粘り強くテストと意見交換を繰り返していきながら最後までやり抜きました。


こうして開発着手からでいくと約1年をかけて、ようやく今回のパウチが完成したのでした。

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