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ポエムハラスメント

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#思考

詠い給えと我が云う

ライ麦の 高く茂るその季節 穂先を揺らす緩い風 その背の高さに身を隠し 口付け交わす少年少女…

残数

迷い込んだ世界だと思ってやりたいようにやったらどうかね。 この世界に生かされているうちに…

蛇眼

ガラス越しの動物に彼が云う 退化した四肢を指差し 蛇行ながらに進む姿は蛇そのそのではないか…

羊と狼

‪羊の群れの中に狼が紛れ込んでいる‬ ‪羊達は彼を仲間だと思い、日々を共に過ごす‬ ‪羊に…

時の浄化

去り行く背中に嘘を吐く 誰がために 時の浄化を知りつつも 離れる距離と競うよう 続ける嘘は誰…

野生

何から逃れたいのだ。 目を背けたいものとは。 嫌悪の対象とは。 憎しみの矛先は。 打ち鳴らせ…

鏡面

お前は鏡に繋がれている 世界との境界を鏡に見出している ただ一心に笑った記憶が思い出せまい どんな風に笑っているか鏡を覗いている 涙に光を当て 怒りの角度を測っている お前は感情を確認している いつだって視界の端に鏡を入れている お前は見せる為の感情を捏造しているに過ぎない 整えられたそれに対価を求める お前を見て私もそうだと気づいてしまった お前のせいで私は私を損なってしまった お前の鏡を覗いたばかりに私は退屈を覚えた もう戻れない 立ち止まり虚空を睨む

色に沈む

触れ合う素肌に合する視線 沈黙保てば艶事の合図 口吸注ぐ色の欲 湧き出る愛慾 器を満たし 溢…

変容

昔年の心情 今日の胸中 此先の気色 差異不和懸隔 偽りか 謬りか 驕りか 時の流れ 世界の移ろい…

境界

恋慕と嫉妬 逢瀬と同伴 二人と一人 本音と建前 和みと沈黙 約束と約束 境界線を辿る 畢生賭し…

新古

最古の人類は不完全か 最新の人類が有能か 言葉を得て齟齬が生じる 道具を造り凶器となる 文明…