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ネットがあるのに本を買う理由

インターネットは情報検索のツールとして非常に手軽なものであり、それを駆使すればあらゆる情報を即座に入手することが可能です。さらに、AI技術の発展により、それらの情報をより深く理解し、再活用するのを手助けしてくれます。

しかし、これら進歩した技術を活用する現代においても、私自身はKindleを利用して電子書籍を購入することがあります。なぜ私がインターネット上で得られる情報を、一見古風な方法である本という形で得ようとするのか、それを具体的に説明してみたいと思います。

情報が体系的になっているから


インターネット上には無数の情報が存在していますが、それらはほとんどが断片的であり、バラバラに存在しているため全体像を把握するのが難しいことがあります。その中から自分が必要な情報だけを探し出す手段として検索エンジンが用いられますが、それでも必要な情報が複数のサイトにまたがって存在したり、情報が重複したり逆に欠落していたりすることがあります。

しかし、一方で本という媒体であれば、情報が分かりやすく整理されており、全体のコンテクストの中で情報を一つひとつ理解することができます。それにより、本の内容を理解すればある一定の範囲の知識を網羅的に身につけることが可能となります。特に、何も知らない状態から新しいことを学びたいときには、まずは一冊の本を読むことが非常に効率的と感じています。

大きな情報ニーズを解決できるから


情報の量が豊富であればあるほど、それによって大きな情報ニーズを満たすことが可能となります。例えば、「ピタゴラスの定理について知りたい」という具体的な知識の欠如はインターネットの検索で十分に補えますが、「全般的に数学について知りたい」など、より幅広い知識を求める場合には、インターネットの検索だけでは不十分です。

同様に、「栄養について知りたい」「健康について知りたい」といった広範で深い知識を求めるニーズに対しても、本は情報源として非常に適しています。そして本には、それらの情報を一貫して提供する能力があるのです。

書く人が決まっているから


抽象的な問いかけや、まだ解答が明らかになっていない問題を考慮する際には、情報の信憑性は誰がそれを述べたかに大きく依存することがあります。専門家が語る見解や、実績を持つ人物の意見、重要な意思決定を行う人物の言葉などは、それ自体が価値を持つ情報となり得ます。

本の一貫した特性として、著者が固定されておりその人の視点で情報が整理されていることが挙げられます。これにより、多くの価値ある情報が一貫性をもって得られるのが本の特性です。

まとめ

簡単に言えば、部分的や具体的な情報、あるいは情報の信憑性が特定の人物に依存しない情報については、インターネットの検索が適しています。しかし一方で、体系的で包括的な情報や、情報の価値が誰がそれを伝えるかで大きく左右される情報については、本が適しています。

インターネットが利用できる今日でも、本を購入する理由は、情報のニーズにより最適な手段を選ぶことができるからです。それが私が本を選ぶ理由です。

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