YAGURA、って何。
2022年7月のプレ企画も無事終わり、このあと8/20(土)の円頓寺での企画をはさんで、いよいよ本番「YAGURA 2022 in 一色の森キャンプ場 -光と音の森-」の開催となります。
最近、人と会うとYAGURAのことばかり話しているのですが、最近知ってくれた方や、改めて興味を持ってくれた方に、2022年現在・最新の自分の言葉で文章にする機会が減ってきたようにも思いました。
この機会に少しこれまでのYAGURAの歴史も掘り下げつつ、今一度お伝えしたい!ということで書き始めました。すごく長くなります。ご了承ください。。。
YAGURAとは何なのでしょうか。
最近様々な分野の方とお話しさせていただくことがあるのですが、そのたびに「理念」について聞かれることが増えました。そこでまず、「理念」について検索しました。以下の通りだそうです。
理念とは、物事において「このようにあるべき」という、根本となる考えを意味するものです。 「根本的なもの、価値観」のような意味で使われ、「会社組織は何のために存在するのか」「事業経営をどんな目的で行うのか」「組織の存在意義や使命」などを普遍的な形式で基本的な価値観を表しています。
・・・と、いうことだそうです。バンド活動、というか自分の人生の延長線上で、楽しいから・・・とはじめたYAGURAの活動なのですが、多くの方と共に活動することで、ある程度明文化(明確に文書として書きあらわすこと、だそうです)する必要がある。ということで、まずはそれについて、ちゃんと自分がテンションが上がっている点を中心に置いて、明文化してみました。「理念とは・・・」に沿って明文化すると、以下の3点が必要ということなのかなと思います。
①何のために存在するのか
②どんな目的で行うのか
③存在意義や使命
それではこの3点に沿って書いていきます。普段文章にしないことを敢えて書く、と言う感じなので、多少堅苦しい&ぎこちない感じになってますが、ご了承ください。。。
①何のために存在するのか
A.主催のKINEMASをはじめとした、このフェスで鳴る音楽や会場の空気感が好きな人達の、普段帰属している社会の外側にある、数年にわたって続く”自己表現の遊び場”として存在します。
普段バンドでステージの上で歌っていることが通常の生活、みたいな私には気づき辛いことだったのですが、
例えば、普段は建築の設計をやっている友達がステージを設計したり、映画好きの友達がショートフィルムをとったり、等々・・・みんなもう大人で(もちろん学生や子供もいます)、生業としての自分の仕事も持っていて。そのうち専門的なスキルも磨かれて行って・・・と階段を上っていく(もしくは下っていく笑)のですが、
色々お話を聞いていると、それを同業種以外の方の前で発表する機会が実は少ないそうなんですね。
別に普段生業としてやってはいなくても、昔からやりたかったことがある人もいて・・・それを一緒に実現してみましょうよ。と、そこから今年の「YAGURA 2022」は始まっています。
もちろんミュージシャンとしての僕の思いもあって。この世界には自分たちの音楽を好きでいてくれる人はいるけど、でも例えば星●源みたいに、現状日本中のみんなが知ってる音楽じゃないじゃないですか。
知ってもらうためのきっかけ、例えば有名大型フェスのオーディション、とか。かつて全てといっていいほど自分もエントリーをしてきました。オーディション的なものにも参加しました。が・・・
歳を重ねるにつれて「大きなステージで演奏したいって・・・なんか他力本願じゃない?」と思うようになっていきました。
だって全部、誰かがめちゃくちゃがんばって作ったもの/環境じゃないですか。
お誘いいただけたら勿論嬉しいということは前提の上で、そろそろもう自分も大分大人だし・・・待ってるよりまず、自分で作ろうよ。と、はじめたのがこのYAGURAです。
そういう私の志を最初に周りに伝えてくれたのが、名古屋の呑み屋コミュニティーでした。
私が店主を務める名古屋は大須のバー「NOZOMI YA」は、コロナ禍真っただ中・2020年7月にオープンしたのですが、そのころ呑み屋業界は、一歩間違えれば”悪”のように思われるような雰囲気すらあり、休業や時短営業を繰り返しながら、本当にみなさん大変でした。
だからこそ、そのコロナ禍で開店した私には、呑み屋周りの色んな人が良くしてくれました。今周りにいる人のほとんどが、その呑み屋コミュニティーで出会った人たちばかりです。
呑み屋で会う人達、業種は違えど僕らと同じく「何かしたい」「何か変えたい」という気持ちを持ってる人が多くいました。
その気持ちと、自分が2020年にスタートさせたYAGURAの前身の企画、現在も会場となっている岐阜県高山市荘川「一色の森キャンプ場」でのVOL.0的な企画や、更にそれを伝えるために作った2冊の本「BORDER」「BORDER 2」から・・・
少しずつ自分の活動や思いが周りの人に認知されていき、「これ手伝うよ」「これ提供するよ」と、ありがたいことにバンドチーム以外の方からのご協力をいただけるようになっていきました。
↑こちらはYAGURAのVol.0的企画「KINEMAS CAMP ACOUSTIC」2020年。
最初はKINEMASのことだけを考えてはじめた「狭い室内はコロナ怖いけど、だだっぴろい野外なら演奏してても大丈夫なのではないか」という発想からはじめてみたYAGURAの活動だったのですが、
Vol.0開催の2020年から2年、いつしかこれはもうバンドだけのことではなくて、運営やフード・建築・大学・・・そして少しずつ荘川の町の協力も得つつの、(自分で言うのも何ですが)一大プロジェクトになろうとしています。
名古屋から荘川は車で1時間半。この活動を通じて、少しずつ街を街が自然と繋がっていけたら、今の距離はもっと近く感じるようになると思います。
そして今は小さなムーブメントですが、これを徐々に大きく広げていき・・・10年くらいで、このフェスをナゴヤドームにもってくることが僕の目標です。
なので10年やるってことで、現地の方の御協力をいただいたりもしています。「この町を盛り上げようとしてくれてありがとう。」と言われるたび、がんばらなきゃな。と思いながら日々奮闘しています。
もちろん!お客さんとして遊びに来てくれる方。みなさんの存在がまず第一です。大げさじゃなく、YAGURAを遊び場に選んでくれたということも、自己表現の一つだと思うのです。是非この街の住人になってください。
②どんな目的で行うのか
A.”音楽フェス”を通じて、普段決して交わることのない街や・異業種の方々との交わりが生まれ、そこに新しい街のようなコミュニティーを創り出すことで、普段の社会では起こりえなかった興奮や感動、更には発想や雇用を生み出すことを目的としています。
最近特に・・・実はその内Vlog(以下YOUTUBE参照)
でも出てきますが、名城大学の建築科のゼミにも参加させていただいてます。高卒の私が大学のゼミに参加して、なんなら活動についてお話しするなど、これまでは決して起こりえなかったことです。そういうことが少しずつ増えて来てます。
"音楽フェス"って、バンドがあちこちでライブしてて、屋台みたいな出店もあって・・・ってイメージだと思うのですが、実はこれ、そこにその場限りの"街"、もしくは”国”を創るようなことなんですね。少なくても自分はそういうイメージでいます。
こうなるともう、ミュージシャンが中心、というわけではない部分も多くあって(もちろんKINEMAS presentsなのでKINEMASの音楽が一つのアイコンとしてありますが)、会場内外の表現としても、様々な業種の表現がそこに産まれてきます。
音楽フェスではありますが、音楽だけではなくて、様々な表現活動がそこにあったらいいな。と言う風に考えています。それは決して派手に映るものだけではなく。
そしてその時の活動が、この街を解体した後から、次の設営までの1年の間にも、繋がった人と人の間で、また新しいものが生まれたら嬉しいなと思っています。
ここは大人の方向けのメッセージになりますが笑、これは雇用にも言えることで。そんなことを考えることは自分の立場としては大変おこがましいのですが・・・どういう形であれ、応援してくれている方への恩返しが少しでもできれば、と。
荘川の町にお金が落ちるのか、関わってくれたお店にお客さんが増えるのか。このイベントがあることで仕事を受ける人が増えるのか。もしかしたら自分やYAGURA本体が関わらないところでのイベントも生まれるかもしれません。
ミュージシャンとしてもできるだけ多くの人に知ってもらえると嬉しいし。普段の名古屋の生活でも、単純に楽しく遊べる場所・呑める場所が増えたら、それだけで自分も嬉しいです。
とにかく、不器用でもなんでも、まずは動き出さないとはじまらないことが沢山あると思います。
③存在意義や使命
A.YAGURAを通じて、これまで出会ったことのなかった人同士の出会いが生まれること。コロナ禍で、特に希薄になった人と人との関わりを呼び起こす一助となること。それらを本祭当日のみならず、それぞれの街の日常の支えにもなっていくこと。そして、世界でここにしかないものを創り出すこと。
当初、どうしても貧弱な予算のことばかりに目が行ってしまい、実際にこの会場の中で表現したいものまで自分の時間や発想を使えていない・思いが行き届いていない・・・という悩みが漠然とありました。
そんな中、様々な人と出会い、会話するたびに、それじゃいけない!と思い立ち、2022年からぐーっと大きく舵を切りなおしました。具体的には、会場内の内装について考える割合を大きくしました。
知ってる方も多いかもしれませんが、自分はフジロックが好きで、フード出店をしたことがあるくらいなのです。(あまり知らない方は、当時の記録がありますので是非こちらをご覧ください。)
フジロックから一本の糸を手繰るように、台湾・台北で行われた「Fujirockers bar」というフジロックファンイベント( 当時の記事 http://fujirockers.org/?p=14597 )にKINEMASで出演したり、そこでフジロックのアート関連の制作チームの方と仲良くなったりもしました。
フジロック2019はフード出店で参加していたので、当然東京での説明会や、まだ会場が設営中の内から苗場で作業もしていました。そこでまた、台湾のフジロックチームの人との再会があったりして。
「フジロック」という一つの街を通じて、これまで知り合うことのなかった国内外の方・異文化の方との出会いがあり、また国内最高峰の野外フェスの一つとして数えられるフジロックの裏側の、ほんの一部ではありますが・・・を2年連続見ることができたことが、自分の価値観に大きな影響を与えてくれていました。
フジロックがあるからYAGURAがあるといっても過言ではありません。
フジロックを通じて知り合った通訳やアートチームの方々、コロナ禍になった今でもたまにメッセージくれたりして。一生の出会いだなって思います。
↑その時の台湾ツアーの映像を元に作成したMV(全編台湾で撮影)
YAGURAも、自分は勿論、皆さんにとってもそんな存在になったらいいなと思っています。
ただ、「ミニ・フジロック」を創る方向にシフトするかというと、それはまた違うんですね。あの経験と、あーいうものを創ろうとする人がいるんだ!という事実を目の当りにした上で思うことは沢山ありますが、
ただここはやはりKINEMAS presentsですので、我々の独自色を出すことによって、この場所にしかないものを作りたい・・・作らないといけないじゃないですか。
それで今自分が目指しているものは、今回の2022のサブタイトルにもなっている「光と音の森」です。
荘川の、一色の森キャンプ場特有の木々が多い立地と、KINEMASという名前は映画のキネマからとっているのですが・・・ここに映画のセットのような街を作りたいという気持ちが重なって、今それを実現すべく、建築から服飾まで、様々な分野の仲間とともに、街を立ち上げようとしています。
運営、設営に関わる人だけではなく、来てくれるお客さん一人一人が、この映画の出演者であり、主役であるような。参加してくれるミュージシャン一組一組が主題歌であり、そこにドラマが生まれるような。幻想的な光の森の中で、何か現実から解放されるような。そういう場所になればと思ってます。
そして楽しかった出来事を、本祭の瞬間最大風速だけにするのではなく、年間を通して行うプレイベントを通じて、少しでも長くその楽しい時間を、名古屋を中心とした都市の中にも置いていきたいと思っています。
立場的にも、本祭前後は特に鬼忙しいので笑、全部終わった後何日か経ってから、2・3人でその話しながらしっぽり呑む時間が一番楽しかったりします。
・・・以上、大変長くなりましたが、現状こんな感じです。今後も様々な人が関わったり、それによって産まれた発想が、YAGURAを日本でここにしかない世界感にどんどん近づけていくのかな。近づいていったらいいな。と日々妄想を膨らませながら作業を進めています。
まだ始まったばかりとは言え、特に今年は改革の年になりました。今年作り上げたものをベースに、来年以降も発展させていきたいと思っています。兎に角広げられるところは広げていき、めちゃくちゃいびつだけど、そこに多くの可能性があるような仕上がりになったらいいな、と思っています。
KINEMASは勿論、YAGURAはどこに向かうのか・何を創るのか。マインド的には、自分含め都度生まれ変わる必要すら感じています。その辺も改めて共有しながら、地道なダッシュで笑、残り約2か月。引き続きがんばりますので応援よろしくお願いします。
*名古屋・京都から、現地までの往復バスもあります。全ての詳細と予約先は↓のWEBサイトをご確認ください。
そしてその前・8/20土曜。名古屋は円頓寺商店街でもプレ企画があります。入場無料(投げ銭)です。お気軽にお越しください!
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