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西洋剣術教室の選び方②

今回、私が話すことは「これを知っておくとムダな時間を過ごさなくて済みますよ」という話の「西洋剣術教室編」です。

この記事は特にこんな人におすすめ
・これから西洋剣術を習い始めようとしている人
・日本で西洋剣術教室を探している人
・ムダな時間を使いたくない人


このシリーズの「イイタイコト」

・西洋剣術を分野ごとに分けると「武術」「学術」「芸術」の3つになる。
・だから西洋剣術教室も上記の3つに分かれる。
・自分が習いたい西洋剣術はどの分野かを考えて教室を選びましょう。


本文はここから


前回の記事『西洋剣術教室の選び方①』では、日本の西洋剣術教室の成り立ちと、武術分野の西洋剣術教室についてお話しました。

シリーズ第2回目の今回は「学術分野の西洋剣術」についてお話します。


西洋剣術の3つの分野

海外では西洋剣術は様々な分野で研究が進められています。「研究」と聞くと何だかものすごく難しいことをやっているような気がするかもしれませんが、実際に難しいことをやっています。大学などでも研究されていますし、論文も出ています。

それらの論文を分類すると「分野」がわかるのですが、大雑把に分類すると3つの分野になります。すなわち、「武術」「学術」「芸術」です。

「○術」という表記で整えたかったのでこのような表現にしていますが、この分類は私なりの分類法ですので、あらかじめご承知おきください。

この3つの分類は「西洋剣術をどのような視点から見るか」という基準でわけているのですが、この分類からさらにスポーツ学の研究者が見た場合、歴史学の研究者が見た場合、文学の研究者が見た場合など、「○○学からのアプローチ」という基準で枝分かれしていきます。

私の場合を例にお話しますと、私は西洋殺陣師ですので、「芸術分野の西洋剣術」を「文学(演劇学)」からのアプローチで研究しているということになります。

このように「研究」という表現を使うと「学問」という言葉が思い浮かぶかもしれませんが、これが私の言う「学術としての西洋剣術」です。


学術分野の西洋剣術

西洋剣術を学問として見た場合、その学問の数だけ西洋剣術が研究されていることになるのですが、それらすべてをここで紹介すると大変なことになるので、ここでは日本における西洋剣術に限定して紹介します。

私が知っている限り日本では「スポーツ学」「武道学」「体育学」「文学」「歴史学」からのアプローチで西洋剣術を見ている人がいらっしゃいます。

スポーツ学はフェンシングとの関連、武道学は剣道との関連、文学はシェイクスピアとの関連、歴史学は戦争との関連。というように、西洋剣術そのものを研究しているわけではないようです。

あ、西洋剣術そのものを研究していらっしゃるかもしれない方を思い出しました。『中世ヨーロッパの武術』という本をお書きになられた長田龍太さんという方がいらっしゃいます。直接お会いしたことがないので、実在する人かどうかもわからないのですが、著書を読む限り西洋剣術そのものを研究なさっているのかもしれないのでご紹介させていただきます。


学術分野の西洋剣術を習うならどこ?

2021年の現在で学術分野の西洋剣術を習える場所はいくつかありますが、その中でオススメできるのは2箇所です。

ひとつがStahlwatsche。もうひとつがSword Academy Japanです。

Stahlwatscheと書いてシュタールヴァーチェと読みます。団体の代表者とは直接お会いしたことがあるので確実に存在している教室です。
Sword Academy Japanと書いてソードアカデミージャパンと読みます。団体の代表者は私の大学時代の先輩なのでこちらも確実に存在している教室です。


Stahlwatsche

シュタールヴァーチェさんでは、中世ドイツ剣術を学術的に学ぶことができます。詳細については私がここで説明するより公式サイトをご覧いただいたほうが時間の節約になると思いますので、リンクを貼っておきます。


Sword Academy Japan

ソードアカデミージャパンさんでは、中世~近代までの(演劇に登場する)剣術を学術的に学ぶことができます。詳細についてこちらもリンクを貼っておきますが、ソードアカデミージャパンの講師は私なので直接私にお問い合わせいただいても結構です。



無料で習えるところはある?

「まずは無料体験でお試ししたい」という方もいらっしゃると思いますが、2021年現在、無料で習える教室はありません。

学術研究にはお金がかかるものですので、無料にできない点をご理解いただければ幸いです。

サポートいただいた金額は研究費や渡航費にあてさせていただきます。これからも応援よろしくお願いいたします。