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「座薬ってどうやって切るの?」

みなさん、こんにちは!本日のすくナビの担当は、NICUの荻野です。
今回は“教えて!近大先生~「座薬ってどうやって切るの?」”です。小児科の外来でよくいただくご質問にお答えするシリーズです。

今回のご質問です。

「小児科で熱さましの座薬をもらいましたが、処方箋に1回2/3個と書いてありました。座薬ってどうやって切るの?」

です。

お医者さんで座薬の処方箋をもらって「1回 2/3個」や「1回 3/4個」と書いてあることがありますよね。座薬の形もいろいろだし、正確に2/3とか難しい、実際どうやって切ればいいのかわからない、という疑問にお答えします!

早速ですが結論です。

「解熱剤の座薬の切り方はだいたいでよい!」

です。

その理由は、子どもに使われる解熱剤の座薬の用量は体重1 kgあたり10 - 15 mgと幅があるからです。

では、どうやって切るのか実際にやってみましょう。
子どもに使われる解熱剤、アセトアミノフェン 200 mgの座薬を何種類か用意しました。
使うのはハサミや包丁、カッターなどです。できるだけ清潔な状態で使用してください。
 
まず2/3、3/4ってどの辺りでしょう。定規で測ってみました。

3/4


2/3

大体この辺りでした。2/3は133 mg、3/4は 150 mgなので、大した違いはありませんね。

次に、今回はハサミで切ってみました。

このように座薬が汚れにくいよう包装の上から切ります。斜めに切っても真っ直ぐ切っても良いですが、添付文書の図には斜めで記載されています。座薬って、けっこう柔らかいので斜めに切った方が、圧力が分散されて割れにくいのかも知れません。お料理の時と同じですね。少しくらい割れてしまっても適切な用量に幅があるので大丈夫です!この写真では3/4のラインを狙って切ったつもりです。

これを取り出し、先の太くなっている方からお子さんのおしりに入れれば完了です。同じお薬で粉薬もありますが、薬を飲むのが苦手なお子さんや赤ちゃんは座薬の方が使いやすいと思います。

体重1 kgあたり10 – 15 mgの用量を参考にすると
7 – 10 kg → 100 mgを1個
11 – 13 kg → 200 mgを2/3あるいは3/4個
14 – 20 kg → 200 mgを1個
ですので、座薬を切って使わななければいけないのは体重11-13kgのお子さんだけということになります。ただし、適切な薬剤の量は、病状や実際に診察をして座薬を処方した先生のお考えにもよりますので、できるだけ処方箋に書かれた指示を守るようにしてくださいね。

以上、「座薬ってどうやって切るの?」にお答えして実際に座薬を切ってみました。みなさんのご参考になれば嬉しいです。
また、このブログを読んだ感想などがあれば、コメントをいただければ「すくナビ」を続けていく上でとても参考になるので、どうぞよろしくお願いします。


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