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2020年上半期のDL数上位を占めるランアクションゲーム、その開発TipsをVoodooが語る

2020年9月に実施した「ハイパーカジュアルゲームナイト-Voodooが語るランアクションゲーム開発Tips」。2020年上半期、Voodooからリリースされたタイトルでダウンロード数上位のほとんどはランアクションでした。
なぜ今Voodooはランアクションに注力しているのか?その理由とともにランアクションゲーム開発のTipsが共有された当セッションの要点をまとめております。

Voodooとしてのランアクションの定義

まずVoodooとしてのランアクションの定義は、シンプルにいうと「A地点からB地点に移動する」ゲームです。

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これは2020年9月-10月で開催のVoodooとしてのランアクションゲームのコンテストにおけるガイドラインでもあるのですが、この「A地点からB地点に移動するゲーム」においてどういう工夫ができるのか、というのが当セッションで話された内容です。
A地点からB地点へ、その過程でどういう楽しさを用意するのか、様々なパターンが言及されました。

なぜ今Voodooはランアクションに注力しているのか?

「Cube Surfer!」「Stack Colors!」「Scribble Rider」などが2020年上半期にVoodooからリリースされた代表的なタイトルですが、それらに共通するものとして話されたのが「広告出稿時のCPIが安い」ということです。
広くハイパーカジュアルと括られるゲームにおいても、ジャンルやメカニクスは多岐に渡りますが、ことランアクションについてはCPIが安い、つまり「こと細かな説明をしなくても、数十秒あるいは数秒ゲームプレイの動画を見てもらうだけでも、多くの人におもしろそうと思ってもらいやすい類のゲーム」ということになります。
以下、ランアクションゲームの開発Tipsとして、どういった工夫ができるかという話が続きます。

観点その1:ゴールないしスタートの工夫

「A地点からB地点に移動するゲーム」といった時に、AがスタートでBがゴールというのが基本形になりますが、「スタート地点ないしゴール地点を工夫できないか」というのが第1の観点です。

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このところの代表的なタイトルを見ても「ゴールは異なる」というタイトルは多数あります。もっとうまくステージを進めていたら、到達できるゴールはもっと先、というタイトルです。もっと先にはどういう世界が待っているんだろう、何が見れるんだろう、という期待感からもう1回プレイしたいと思わせる、そういうゴールを用意できるかどうかという観点です。

一方で、同じ地点からのスタートではないゲーム、というのは、ハイパーカジュアルでは例として挙げられるタイトルはないという話でしたが、イメージとして、フォートナイトはスタート地点を選べる例として言及されていました。今後ハイパーカジュアルでも何らかのスタート地点に工夫がなされたタイトルが出てくるかもしれません。

観点その2:動きの工夫

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動き、という一言の括りになっていますが、バリエーションは多岐に渡り、ゲームプレイそのものを決定づけるような要素といえます。
左から順に、
・ランアクションの基本形といえるタイプのもの
・物理要素が動きのキーになっているもの
・能力(この場合は車輪についている足)の活用がキーのもの
・ライフとなる物体(風船)を守るために、障害物を取り除く物体を操作対象としたもの

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動きの工夫の例が続きます。左から順に、
・基本のコース以外に、自由にショートカットすることも可能なもの
・コース状況にあわせて、どんなタイヤを描画するのかというもの
・タイピングすることでプレイヤーが進むというもの

一口にランアクションといっても、様々なゲームの作りようがあると感じられる工夫の観点の一例です。

観点その3:コース、ルート

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前述の項目でも挙がったショートカット、そして複数のルートがあるというパターンも、A地点からB地点(ないしC地点orD地点)へどういうルート設定をするのかというのも工夫例です。

観点その4:障害物

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障害物に当たったらゲームオーバーというパターンもあれば、障害物に当たるもののゲームは進行する、当たるにしてもどのルートを選ぶのかというのがおもしろさの要素になるという一例です。
他にも、コース上に次々とクイズが登場し、正解を選ぶルート選択が操作になっているゲームも一例として挙げられていました。

観点その5:既存のメカニクスのアップデート

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例で挙げられた「DUNE」も「Bikes Hill」もメカニクスでいえば同一といえるものの、視点・コース・モチーフを変えることでガラリと印象が変わるゲームにも仕上げうるという一例です。
もし過去の名作をベースにしながらもガラリ作り変えるのであれば、という観点で考えてみるのもおもしろいかもしれない、という例です。

観点その6:既存ゲームプレイのピボット

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これも描画するという点では同一ですが、プレイヤー自体を描画するのかパーツなのか、コース、モチーフを変えるとどうなるのかという発展形の一例です。

観点その7:操作など

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先の例でも挙がったタイピングするという操作方法など、いま自分が作ろうとしている/作っているタイトルが、どの項目において新規性があるのかを明確にしようとすることが、アイディアのブラッシュアップをする際の観点として参考にしうるといえます。

物理ゲームであることのメリット

また、コンテストにおいてのガイドラインの一つに「物理ゲームであること」という項目がありました。
なぜ物理ゲームであることを条件としているのかというのも、なんとなくのコンテストの条件ではなく、Voodooとして考えるヒットタイトルへの近道の一つだから、というのも改めて言われるとものすごく納得感があります。

・物理ゲームであればルール説明不要という状況が作りやすい
・同じステージでも違う結果が出うる
・プレイヤーの遊び方によって、プレイ体験が異なる
・プレイヤースキル調整不要なステージ作成がしやすい
・ステージ作成数が他ジャンル/メカニクスよりは少なくても成立しやすい

上記のようなメリットはヒットタイトルへの近道ということだけではなく、開発のしやすさともいえるので、普段ハイパーカジュアルゲーム開発に取り組んでいない人でも入りやすいもの、ぜひトライしてほしいという話もなされました。

継続率が低いという課題

冒頭で、広告出稿時のCPIが安いことがランアクションのメリットの一つという話がありましたが、一方で、実はランアクションはパズルゲーム等に比べて継続率が低め、という話もありました。
これは、現在の市場におけるリリース優先ゆえの課題ではないでしょうか。ランアクションであっても、継続してプレイしてもらうための工夫に重きを置いたタイトルが今後出てくるような市場の変化も起こるかもしれません。やっていないだけで、やりようはある、という項目といえます。

列挙した開発における工夫ポイント・視点に関しての細かなニュアンスや補足説明は動画でもぜひご覧ください。


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