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完走女子


マラソンのゴールに立ち会うと私はいつも驚かされます。

途方もない距離を走ってきたランナー達がみんな笑顔でゴールに入ってくるからです。

中には、ほんとにこのヒトが?フル完走?と言えるヒトも結構たくさん。

「刺激が欲しかったらマラソンのゴールを見てみたら」と言える程に続々と驚けます・・

ところで、晴れて完走女子となった彼女からゴールしてすぐ電話がありました。今どきのマラソンて携帯を持って走るんですね。

どこにおるん、と言ってきた完走女子。完走タオルを広げたポーズでSNSにあげたいのです。

「こんなに気持ちえ〜ことがあるんや、この満足感」2023.11.19.完走女子

さて、彼女はMのゼッケンを胸に着けていました。SABCDEFGHIJKL組の次で、最後のグループです。

申込み時の申告タイムは6時間59分。神戸マラソンの制限は7時間、初マラソンだから謙虚に申告しましたね。

あの時M組は、有森裕子さんが待つスタートラインにたどり着くまで12分かかりました。

神戸マラソン2万人のランナーは前後二つの組に分かれてスタートします。もちろんM組は後の組で15分遅れてスタート。

ところがゴールが閉じる時刻は全員同じ。つまり、スタート地点で計27分のハンデを背負ったM組、完走女子。

実質、6時間33分が制限時間です!

もともと走るの遅いのにハンデあるやんと走る前にぶつぶつ言ってた完走女子。 

距離には不思議と自信があった、関門(時間制限)が心配だった完走女子。

関門閉鎖と収容指導(「もう無理ですね」と言われる)の危機がいつもありました。

「走ってる間中それ(関門から逃れる事)しか考えられなかった」完走女子。

早々とゴールして会場を後にしたトップランナー達が、帰りのポートライナーで三宮駅に降り立ち賑やかにしてた頃、大阪湾を望む須磨海岸あたりで関門閉鎖の危機と戦っていたランナー達がいた事を私は知っています。

目指すゴールは3時間先、、

あと30秒やで!と沿道から声がかかり、隣の男子の猛ダッシュに負けじと完走女子。

いきなり30秒ダッシュ!

サン!ニイ!イチ!タン❗️と第7関門を突破、完走がギリ繋がった完走女子。

負けず嫌いとココ一番のもったいない精神が役に立ったわと完走女子。

アレから何かあったら「マラソンする?」と言ってくる完走女子。  

マラソンでいい事があったらしいね完走女子。

マラソンに取組み始めてヒトが変わったです完走女子。

一緒に散歩しててもトットと小走り先に行ってしまう完走女子。

カラダが調子に乗ってるらしいです。
マラソンにハマってる状況ですかね?

もうひとつ、距離感がおかしくなってます。一日ほっといたら「今日は10㌔走った」「今日は15㌔走った」とほぼ毎日報告があります。

おかしいよね😅15㌔は神戸から宝塚まで行けますやん😆

さて、大会は金色の風船を付けたランナーさん(完走リミットペースセッター)を、一緒に走ったら完走出来るで、と用意してくれていました。

でもM組ランナー達は長いこと、風船おらへんなーと言い合ってたそうです。

また誰かは、25㌔で出てくるはずやとも言ってたそうです。

そう、M組ランナー達はよくしゃべって情報交換してました。助け合って完走を目指していたのです。

関門をギリで突破するなか、金色の風船ランナーは突如現れたそうな。

ギリでも関門突破していたので、風船ランナーは「後ろ」に現れると思っていた完走女子。

「前方」に現れた金色風船ランナーを一生懸命追いかけた完走女子。

なかなか距離が縮まらなかった、追いつけなかった、焦ったと言ってます。

その距離を70m以上100m以内と表現する完走女子。

何とか追いついた後は風船ランナーのすぐ前を淡々と走った完走女子。長いことそんな時間があったそうな、、

ウミエが見えたら嬉しくて急に元気が出た、神戸大橋に登る急な坂道はうまく走れた完走女子。

74歳のオジさんに、この坂道はみんな歩くとこやのにあんた元気やなぁ、ワシも走るわ、と言ってもらえたんやて完走女子。 

走りながらお互いの老齢を確認し合う可笑しさがウケるよ完走女子。

時を戻します(この時期、本当は「時を戻そう」と言いたい、M-1ね)。

最初の応援指定場所は、兵庫駅近くの御遊(おたび)公園でした。彼女が幼少期によく遊んだ思い出の場所で、第1関門を過ぎた4㌔地点です。

当時のモノクロ写真に遊具が写っていて、それが今も残ってる、そんな場所で家族の声援が欲しかった完走女子。

私達は立派な白バイが先導する先頭集団を見送り、私は目視、息子は応援ナビで彼女を探しました。

目印はあの白い帽子オバさんの感じ、前かがみでドス、ドス、ドス、なと息子にアドバイスする私。

ところがいきなりトットットのリズムで現れ「あと4分で関門やった、ヤバかった!」と笑顔で通過した完走女子。動画があります!

トットットやったなぁ、と息子。変わってた、こないだまでドス、ドス、ドス、やったんやでと私。

「てんまやRUN」ご指導のお陰よな完走女子。あの天満屋、、ですよ😊

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