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 静岡県の川勝前知事がリニア工事着工に反対した理由は、佐賀県知事が長崎新幹線フル規格工事に反対している理由と同じです!

 静岡県前知事の川勝氏は、歯に衣着せぬ発言で度々物議をかもしたが、そのもっとも明確な政治公約はリニア中央新幹線工事着工反対であった。

 なぜ、川勝前知事は、あそこまで県内工事着工に反対したのか。トンネル工事による水資源枯渇の懸念ではありません。それは、JR静岡駅の時刻表を見るとはっきりする。

 まず、下記リンク先より、東海道線(在来線)上りの時刻表をご覧いただきたい。県庁所在地の駅にかかわらず、東海道戦には快速なし、特急もほとんど走っていないし、その上走行距離も短い。
 これは、静岡県民が新幹線を利用するよう、JR東海が故意に在来線ダイヤを不便にしているとしか考えざるをえない時刻表である。

https://railway.jr-central.co.jp/time-schedule/srch/_pdf/data/202403/tokaido_Shizuoka_A_w_u.pdf

 しかも、1時間に静岡駅に停車する新幹線は、下記のとおり、1時間に3本だけ(こだま2本とひかり1本)であり、のぞみは終日1本も停車しない。静岡県は単なる通過点扱いである。

https://railway.jr-central.co.jp/cgi-bin/timetable/tokainr.cgi?MODE=7&HOUR=0&DIAF=%c0%c5%b2%ac&DIAR=%c5%ec%b3%a4%c6%bb%a1%a6%bb%b3%cd%db%bf%b7%b4%b4%c0%fe&DIAD=2

 多額の税金を投入して、昭和38年の東海道新幹線開通がなされた結果として、静岡県の在来線(特急や快速)が本数を減らされ、地域の利便性が低下する上に、新幹線の特急料金が追加請求され結果となった構図を見ると、これは、長崎新幹線開通による佐賀県内の在来線利便性低下と同じ構図である。

 佐賀県の不満は以下のとおりです。https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00374236/3_74236_167882_up_xe5oj44p.pdf

 地域の足の在来線が不便になる上に、西九州新幹線と並行で走る在来線の経営分離がされるとは踏んだりけったり。多額の税金を投入して、長崎県の進行に尽力し、一方佐賀県民には不都合な面を押し付ける。佐賀県の政策としては、下の下であると言わざるをえない。

 静岡県にとって、東海道線開通で、地域の在来線の利便性が低下した上に、JR東海から、新幹線の停車駅問題でも理不尽な扱いを受けている静岡県民にとって、リニア新幹線は、東海道新幹線の再来、さらなる在来線と東海道新幹線の利便性低下が明らかであるからです。
 (東海道線、東海道新幹線をこれまで以上に不便にしないと、十分なリニアの売り上げが見込めない。)

 佐賀県が、長崎本線(在来線)と並行して走らせる新鳥栖ルートではなく、久留米、佐賀空港ルートを主張するのは、まったく同じ理由である。

 JR九州としては、在来線の利便性を低下させ、近距離(佐賀県内)からであっても、新幹線を利用させ、利益を上げたいという考えであることは明白であるので、佐賀県知事と対立するは自然な成り行きである。
 いずれにせよ、川勝前静岡県知事のように、山口佐賀県知事か失言し、公共工事推進派の知事が登場しないかと推進派は期待しているようである。
 


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