人間万事塞翁が馬 物語のスパイス

中国の故事で、次のようなお話がもとになっています。

 ある時、塞翁(さいおう)さんの馬が、逃げ出しました。
 近所の人たちは、慰め、励ましました。
 塞翁さんは、平然としていました。
 何日かすると馬が戻ってきました。しかも、たくさんの馬を引き連れて。
 近所の人は喜びました。「よかったねえ」と。
 塞翁さんは、平然としていました。
 また、しばらくすると、おじいさんの息子が、その馬から落ちてけがをしました。
 近所の人は見まいに行き、慰め、励ましました。
 塞翁さんは、平然としていました。
 しばらくすると、戦争が起き、若者たちが兵たちに駆り出されました。
 しかし、塞翁さんの息子は、けがをしていたため、戦争にいかずにすみました。

 何が起こるか分からないし、起こった出来事も、何が将来の幸せや不幸につながっているかも分かりません。だから、一喜一憂しないでいこう、あるいは、幸せや不幸は、後になってみないと分からない、というような意味があるそうです。

  小学校の国語の教科書に出てくる話(物語)のほとんどは、主人公がいくつかの事件(出来事)を経て、その事件のクライマックスの中で、「大きく変化する」流れになっています。事件の中で葛藤あり、解決に向けての行動ありで、多くは「主人公の成長」につながります
 考えてみたら、私も同じだなあと思います。時にライバルが現れたり、挫折したり、ふられたり、有頂天になったり・・・。そして、その時々に出会 う人に大きな影響を受けたり。
 なんでもうまくいって、思い通りにいったら、はじめは嬉しいでしょうが、だんだん「つまらなくなる」かもしれません。物語を書いている作者だったら、きっと、そうならないように、いろいろなドラマを入れていく気がします。

 わたしは、実際の生活の中では右往左往していますが、ちょっと「俯瞰する視点」で見ると、遭遇する出来事の一つ一つが「物語に必要なスパイス」なのかも、と思えてきました。
 2023年、これから、どんな「物語」が生まれるでしょうか? 

 皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです


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