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ジャニーズ性加害問題に対する、ファンである私の苦悩、反省、そして

この件についてはずっと、いつか整理して書こうと考えていた。

少し時間がかかってしまったが、自分の中でようやく整理がついたので書き進めることにする。

書き終わった直後、タイムリーに再発防止特別チームからの調査報告があった。予想以上に踏み込んだ内容で、きちんと仕事をしてくださったことが窺われる。情報を追えていなかったのだが、チームメンバーに齋藤梓先生がいらっしゃることを今回初めて知り、なるほどそれなら安心できると感じた。




自分とジャニーズのこれまで

私は長らくジャニーズのファンである。

物心ついた頃から好きだったが、ファンと自覚したのは高校生のときで(KAT-TUN育ち)、それから15年以上ファンを続けてきた。

何度もジャニーズのエンターテイメントに元気をもらい、救われてきた。
同じものを愛する、年齢も職業も住んでいる場所も違う人たちと出会ってきた。
ファンにならなければ経験できなかったであろうことを、たくさん経験した。

間違いなく、自分の人生を豊かにしてくれる大切な存在だった。
心の拠り所だった。

性加害の噂について

ジャニー喜多川氏の性加害の噂は、もちろん以前から知っていた。
暴露本が何冊も出版されていることも。

「そのようなこと」があったのだ、とは認識していた。
ただ、それはいわゆる”合宿所”が存在した時期までの出来事であり、昔の話だと思っていた。

昔の話だからといって切り捨てていい問題ではないと今ならはっきりとわかるが、当時はそうやって深く考えないように蓋をしていた。

「確かにそういうことは過去にあったのだろう、だが今はもうない」
と自分に都合よく解釈して、安心しようとしていたのだ。

そして、男性に対する性加害について軽く考えていたのは確かだ。
深く反省するところである。

BBCの報道、被害者の告発を受けて

BBCの報道を知ったときは、恥ずかしながら、そこまで大きなことだとはまだ認識できていなかった。

海外メディアが報じるのは異例だな、と思ったくらい。
呑気なものである。

私の考えが変わったのはその後。
元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが被害を告発したときである。

岡本カウアンといえば、当時のJr.担(※担=担当=ファンを意味する用語)ならみんな知っているであろう、かなり推されていたJr.である。

「え、あのカウアン!?」

そんなに最近まで性加害があったことに衝撃を受けた。
なんてお花畑だったんだ、自分。

自担(=一番推している人)はじめ、自担G(=推しているグループ)のメンバーのほとんどが彼と同時期に活動していたので、まったく他人事ではなくなった。

それからようやくBBCのドキュメンタリーを観て、事の重大さに気づいた。

報道してこなかったメディアの責任は大変重いが、ずっと見て見ぬふりをしてきた私を含むファンも同罪だと思った。

影の部分から目を背けて、明るく楽しい部分だけを享受してきた。

被害にあって苦しんでいる人が大勢いたというのに。

自分が救われてきた夢のような世界の裏に、こんな地獄が広がっていたなんて。

多くの犠牲のうえに成り立っていたのかと思うと目眩がした。

多くのジャニーズファンとの温度差

考えを改めてから、私にできることはないだろうかと考えた。

今こそ動かなければ。
今動かなかったら、きっとこの事務所はこの先ずっと変わらない。

しかし、初めての子育てに追われていた私には、動く余裕などなかった。
何かしたいのにできない。
もどかしかった。

そんな折、ファンの有志が事務所に対して対応を求めるため、署名活動を開始されたことを知った。

動いてくれる人がいた…

涙が出るほど嬉しかった。
すぐさま私も署名した。

賛同された他のファンの方のコメントを読むと、どれも頷けるものばかりだった。
特に若い世代のファンが、的確で本質を捉えた意見を述べていることに希望を感じた。

自分はここまで書けないと思った。
若い子たち、すごいな…
何よりジェンダー意識の高さに驚かされた。
自分ももっと勉強しないといけない。

また、「今回の問題をうやむやにしたままでは、世界から取り残される」と憂慮する意見も目にした。
まったく同感だ。
社会的責任を果たさない企業に未来はない。

他方で、気になることがあった。
署名活動の動向を注視していたのだが、思ったほど署名の数が伸びなかったのだ。

最終的に集まった署名の数は4万ほど。

ファンクラブ会員数だけでも1,000万人以上(活動休止中の嵐を含む)を誇る(一人で複数のファンクラブに加入している人も大勢いると考えられるが)膨大なジャニーズファンの数から考えると、きわめて少ない。
東京ドームすら埋まらないレベルだ。

え、そんなもん…?
10万くらいは軽々いくと思っていたので、正直ショックだった。


ひょっとして、問題意識をもっているファンのほうが少数派なのか…?

性被害を告発した人たちに対する悪質な二次加害や、この署名を揶揄する声があることは知っていた。

でも、そんな人たちはほんの一部で、多くのファンは事務所に対して誠実な対応を求めているのだと思っていた。


だが、どうやら違ったらしい。

ファンの大多数は特に声を上げず、今までどおり、何事もなかったかのようにファンを続けることを選んだらしい。


何らかの事情で、声を上げたくても上げられない人もいるだろうから、みんながみんなそうではないのだろうけど。

タレントを推すことと、事務所を批判することは両立するはずなのに。

タレントを大事に思うのであればなおさら、居心地のいい事務所に生まれ変わったほうが、彼らのためにもなると思うのだが。

「余計なことをして、頑張っている推しの足を引っ張らないでほしい」という意見を聞くが、足を引っ張っているのは、他でもない事務所だろう?

多くのファンとの温度差を感じ、虚しくなった。

事務所のみならず、ファンにも失望した。

自分さえ楽しければそれでいいのだろうか。
被害にあった人はずっと苦しめられているというのに…?

たとえ功績がある人物であろうと、犯罪者は犯罪者だ。
許すことなど絶対にできない。

しかも、権力を利用して少年たちを食い物にしてきた、ジャニーズのビジネスと表裏一体の卑劣な犯罪なのだ。

喜多川氏がスターを発掘する天才だったことは認める。
私もその恩恵を受けてきたのだから。

だが、それとこれとは分けて考えなければならない。
真実を知ってしまった以上、今までのように応援することはできなくなった。

幻滅、そして…

国連まで動いたというのに、いまだ記者会見すらしない事務所。

(※再発防止特別チームの報告を受けてようやく行うようだが、遅きに失する。)

ジャニーズ事務所に対しては以前から不信感が強かったが

例)桶ダンス、水着Jr.、ちびぬい
この事務所のジェンダー意識の低さを物語っている。性加害の件を踏まえると、より吐き気を催す…(下の記事参照) その他、SMAPやキンプリの件など然り
また、タレントの中に女性蔑視発言をする者や、性暴力を軽視していると思われる者が散見されるので、会社でジェンダー研修をしてほしいと常々願っていた。(この事務所では到底無理な話だっただろうが)


今は不信感どころか、1ミリも信用していない。

チャリティーに積極的なところだけは評価できたのになあ…

大事な推したちをこんな事務所に預けておくのは不安でしかない。

正直、足枷にしかならないので、どこかに移籍してくれないかな(小声)

話は変わるが、TBSの大型音楽特番「音楽の日」の、事務所の垣根を越えたダンスコラボが非常に素晴らしかった。

こういうのを求めていたんだよ…

ジャニーズ事務所といえば、昔から、競合する他の事務所のボーイズグループや元ジャニーズのメンバーがいるグループをことごとく潰しにかかったことは、よく知られている。

これは当時から、
「才能ある人たちの活躍の場を奪うなよ。一緒にシーンを盛り上げればいいじゃないか。あほか」
と呆れていたが、

いまだにMステでは圧力をかけていると知り、心底ドン引きした。

Mステにジャニーズ枠が存在することは、誰の目から見ても明らかだが、
(ファンの私ですら、さすがに毎週は出過ぎやろとげんなりしていた)

なんと、性加害問題が取り沙汰されて以降も、まだ他事務所のボーイズグループは出演できていないらしいのだ。

え、テレ朝はまだ忖度してるの?

旬のアーティストが出演すべき音楽番組に、紅白出場者やレコード大賞受賞者が出演できないって何それ?

もはや音楽番組といえないのでは…

幻滅することばかりで嫌になる。

嫌になりすぎて、心が離れていっているのを感じる。

ジャニーズには本当に魅力的なタレントが多く、彼らのことは今も好きなのだが、どうしたって事務所とは切り離せない。
彼らを見るたび、事務所のことがよぎる。


そこで、ある決心をした。



ファンクラブの更新はせず、退会する。

これまで、グループの変遷はあったものの、常にいずれかのファンクラブには入っていた自分が。

とうとう辞めるときが来てしまったか…

私はハロプロのファンでもあるのだが、ハロプロの運営にもこれまで数々の不満があったため、

芸能事務所=クソ事務所

との認識だったが、どうやらそうではない事務所があるらしい。

風通しがよく、アーティストと同じ目線で考えてくれる、カッコよくてチャーミングな社長が率いるクールな事務所があると知り、カルチャーショックを受けた。

羨ましすぎて吐きそう

みんな移籍しよ…(小声再び)

実は、前述の音楽の日をきっかけに、とあるグループが気になったので勉強を始めたのだが、これが知れば知るほど最高のグループで、

「こんなグループが日本にあったなんて…!
 歌もダンスもクオリティ高すぎ…
 しかもメンバーが仲良しで平和…尊い…」

とぶったまげ、

おまけに事務所まで最高で、

「事務所が推せるなんてことあるん…!?」

と最高が渋滞して、感動のあまり、むせび泣く日々を送っている。

こんなに心を掴まれたのは、それこそ自担以来。
ちょうど10年ぶりである。

ある意味、ジャニーズから心が離れたからこそ、ジャニーズ以外に関心が向くようになったといえる。

まさかの収穫に驚きを隠せない。
ジャニーズを失っても、十分生きていけそうだ。


ただ、自担はじめ、ジャニーズのアイドルたちを愛する気持ちは変わらない。
彼らを守るためにも、生まれ変わってくれよ事務所…
頼むよ…

以上、いちジャニーズファンの遺言でした。

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