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わたしと妹

わたしを取り巻くいろいろを
お話しさせてください。



わたしが小学校中学年の頃、
少し年の離れた妹が産まれました。
早速、産婦人科に会いにいきました。
ガラスで仕切られた新生児室に赤ちゃんが
列んで眠っていました。
「この子やで。」
え。この子?
頭の毛もうボーボーやん。でかいな。
ほかの子とちょっこと違うな。
これが妹とのはじめましてでした。

そんな妹がよくミルクを飲み
パンパンに肥えた肉々しい手足をピコピコ動かし
どっかりと座れるようになったある時、
頭を掻きむしるようになりました。
頭皮にブツブツができていました。
「体毒や。」
乳児湿疹を起こしていたようでした。

「刈るしかないな。」
え?
父がバリカンを手に妹をまる坊主に
し始めたのです。
「やめてー!女の子やで!かわいそうやんか!」
わたしは悲鳴をあげて泣いて止めました。
でも祖父母も母もこのときばかりは
父に異を唱える者はいませんでした。
ワンピースを着た肉坊主ができあがりました。

怒ってふて腐れたわたしにおばあちゃんは
「皮膚が病気してるから短くしただけや。
皮膚が治らなくてずっと毛がない方がかわいそうやろ?また伸びてくるからな。大丈夫大丈夫。」
と説明してくれました。

数ヶ月、わんぱく相撲の様な顔をしていた妹でしたが、頭皮はきれいに治り、またふさふさの髪の毛が伸びててっぺんでキュッと結べるようになりました。

父は「な、判断は正しかったやろう。」と
してやったり顔でしたが、わたしにすれば
説明を先にしてくれたら泣かずに済んだのにと
思い出すと少し苦い気持ちになる
エピソードです。

そんな妹は後に誰より強かな頼りになる
女性に育ってくれます。
その話はまたの機会に。







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