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ひとかけらの勇気②母と娘の癒着ってやつ

長年の母との確執によりついにキレてしまったお話の続きを

まあ、なるべくしてこうなったと思う。

本当は、過去のことなんか水に流して両親に優しくしてあげたいと頭では考えてている。

頭ではそう望んでいるのに
ワタシの中のワタシが訴えているのはただひとつ

謝ってほしい

一回だけでいい
謝ってさえくれたならきっと快く許せる。

その思いだけはどうしても手放せず両親に手紙を書くことにした

新興宗教にのめりこんで子供を放っておいたこと
その宗教をやめた時も、悪かったの一言もなかったことを
謝ってほしい、と。

面と向かって冷静に話せる自信はない。きっと取り乱してしまうのが目に見えている。

このときほど文章を書いて思いを伝えることができるという能力をありがたく思ったことはない。

しかしそれでもなお
ワタシは書いた手紙をなかなか出すことができなかった。

また今までのように母に逆ギレされるのがこわい。
この手紙でダメだったらもう、ワタシと母との縁はおしまいだという
切羽つまった気持ちだったんだろう。

もう晩年母と仲良くすることも、許し合うこともかなわない。
そんなことになるのがこわくて勇気がでなかった。

勇気、というとワタシはいつも思い出す話がある
ダイの大冒険で
ポップ君が獣王クロコダインに立ち向かうくだりだ。

仲間を見捨てて自分だけぬくぬくと生きてるなんて…
死ぬよりカッコ悪りいやって…
そう思っただけさ…

いや、死にはしないんだけど。
ただ母を許すことをあきらめるだけ。

それがこんなにこわいということは
ワタシは母を許したいと思っているのだろうか。

だから正しくは

自分の思いを押し殺して
許したふりして優しくしても
自分も相手も本当に幸せにはなれないって思っただけさ

である

結果、母は謝ってくれた
同じく手紙ではあったが謝ってくれた。

別におかんは獣王でもワニでもない
今はただのおばあちゃんだ。
でもそれくらいワタシにはこわい存在で
そのこわさを克服できたこでワタシはちょとだけ勇者に近づけた気がする。

いや、ポップ君は魔法使いだったわ。


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