国家公務員総合職試験 一次試験編

今回は一次試験の勉強開始から合格発表まで書いていきます。


国家公務員総合職試験の概要

そもそも国家公務員総合職とは、世間一般でいうところのいわゆるキャリア官僚を指します(官僚についての呼称や細かい定義については割愛)。最初に試験〜採用の流れを軽く紹介しておくと、だいたいこんな感じです。(2023年の場合)
4/9:一次試験(マークシート)
4/21:一次試験合格発表
5/7:二次試験(記述)
5/15~5/31のうち指定された一日:人事院面接
6/8:最終合格発表
6/12~6/22:官庁訪問~内々定

試験に最終合格しても、どこかしらの省庁から内々定が出るのは約3分の1の人数しかいません(法律区分の場合)。とんでもなくコスパが悪い就職活動となっております。
今年は実施時期が早まるらしいです。気になる方は人事院のサイトへ。
上に書いたのは春試験と呼ばれるものですが、秋にも教養区分という試験が受けられます。教養区分からの内定率はとんでもないのでぜひ受けた方がいいです、ホントに。

一次試験

一次試験では、基礎能力試験(大学共通テストみたいなもの)と専門試験(私の場合は法律)が出題されます。二つとも同じ日に実施され、全問マークシート式です。

基礎能力試験

40問を3時間で解きます。内容は、文章理解11問(現代文4問、英文7問)、数的処理(中学受験の算数みたいなもの)16問、知識問題13問(時事3問、歴史とか理科とか10問)。来年は問題数などが大幅に変更されるので注意!
文章理解はセンター試験や共通テストと同じような難易度なので、得意な人は対策なしで得点できるかも。数的処理は公務員試験独特の科目なので、予備校で習うなり参考書買うなりで勉強しましょう。いずれの科目も、一度過去問をやってみてどれくらい得点できるのかぜひ試してみてほしいです。
この両科目(知能分野という)がそれなりに得点できるなら、残りの知識科目はあんまり対策しなくていいかもしれません。今更歴史とか理科とかさらい直すの面倒くさいし。来年度からはますます知能分野の割合が増えるから、より一層重要度が下がりそう。
基礎能力試験は本当に時間がないので、一問あたりをサッと解けるように練習を積む必要があります。

専門試験

40問を3時間30分で解きます。めちゃくちゃ時間余ります。憲法7問、民法12問、行政法12問、選択問題(刑法とか労働法とか)各3問×3。この科目は、自分が何の科目を選択するかによって変わります。
法律に関しては、他の公務員試験と比べるとやたら問題文が長いです。求められる知識はそれほど深いものではないので、総合職特有の問題にさえ慣れれば高得点も十分狙えます。
後述しますが、他の受験生と最も差をつけやすいのが一次試験の専門科目40問なので、一番力を入れるべきです。
選択科目は商法③、刑法③、労働法③、国際法③、経済学・財政学⑥の18題 から任意の科目を選ぶことになります。おすすめは難易度が低い労働法+他科目。

私の場合

ここからは、私がどのように対策したかについて書いていきます。あくまで一個人の経験に基づくものなので、参考程度に読んでくださると幸いです。

数的処理

制限時間が厳しいので、よほど得意でもない限り全問解き切るのは不可能です。なので、自分の解けそうな問題とそうではない問題を見極めて解き始めることが非常に重要です。①数的推理、②判断推理、③空間把握、④資料解釈という4分野から出題されますが、③の空間把握は図形的センスがあるかどうかで決まるので、苦手なら捨ててもいいです。問題数も多くないので…
私は、一か月くらいかけて予備校の講義を受けて概要を把握し、その後は国家総合職や都庁、国家一般職などの過去問を解き漁っていました。①②を合わせて一日当たり5~7問、④を一日当たり1問くらいのペースで毎日解いていた記憶があります。とにかく問題にあたって、解く感覚をつかむことが大事です。

文章理解

苦手でなければ、試験1か月前くらいから取り組んでも間に合います。1問あたり5分くらいで解けるように練習するといいと思います。私は、1日現文1問英文2問くらいで過去問に取り組んでいました。また、最終合格にはTOEICなどの英語試験を点数として加算することができるのですが(詳しくは受験案内で)、その勉強が文章理解の英語の練習に直結するのでおすすめです(私は英語苦手なのでしませんでしたが…)

その他教養科目

3カ月少ししかなかったので対策できませんでした。数的と文章で稼いで逃げ切る作戦をとっていました。ただ、時事は後の面接や官庁訪問のためにある程度知っておく必要があるので、日ごろからNHKのニュースアプリや時論公論というサイトはチェックしていました。新聞に抵抗のない方は日経新聞などを読むのもおすすめです。

専門科目(憲法・民法・行政法)

1~3月上旬くらいまで授業を受け、残りの1か月で問題演習やテキストの読み直しを行っていました。覚える量が多いので、できれば年内で1周しておくほうがいいと思います。私はテキストを読み込む方が頭に入るタイプでしたが、問題を解くことで覚える方も多いので、自分に合う勉強法を早めに確立するようにしたいです。

専門科目(その他選択科目)

選択科目の中では労働法がおすすめです。問題の難易度も覚える量も比較的少ないです。選択科目に関しては問題数も少ないので、1~2カ月あれば抑えきれると思います。私は労働法・商法・刑法を選択しましたが、あまり時間が取れず振るわなかったです。

試験結果

教養:24/40(数的10/16・文章8/11・その他6/13)
専門:26/40(憲7/7・民10/12・行5/12・労2/3・刑0/3・商2/3)
合計:50/80
今年のボーダーは48~49あたりだったので、かなり危ない合格となってしまいました。
行政法と刑法がひどいですね…言い訳になりますが、大学時代に履修しておらず初学だったので許してください。

使用したテキスト・問題集など

予備校の教材がメインだったのであまり購入していませんが、買い足したものやもし独学だったら購入したであろうものも含めて紹介させていただきます。

これら二つはそのうち25年度が発売されるので、それを待って購入されるのがよろしいかと思います。また、これより前年度のものもkindleなどで発売されているので、必要な方はご覧になってください。

数的だけではなく各教科ごとに発売されています。独学で挑まれる方の大多数が購入していると思います。

ここ数年の時事をざっと抑えるのに役立ちました。しかし、これだけで国家総合職の細かい問題に対応できるかは怪しいです。
こちらも後に令和6年度版が発売されると思います。

最後に

一次試験については以上になります。最終合格の際にも一次試験の点数が加味される上に、二次試験の科目はどれもあまり差がつかないので、一次試験、特に傾斜がかかる専門試験で点数を稼ぐと優位に立てます。(傾斜についての説明は省略)
次回は二次試験について書こうと思います。更新が遅くて申し訳ない…

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