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賽の河原から地獄道へ


上方落語においてはお馴染み東の旅の他に西南北への旅、天に登るのが月宮殿星の都、海底へ向かうのが竜宮殿は竜の都
嫌なのは十万億土は冥土の旅「地獄八景(ばっけい)亡者戯」
落語家は寺院でよく見かける閻魔像の表情を全力で表現する
地獄にも寄席があり、江戸~平成期の名人たちが勢ぞろい、落語家の先達もそこに出演、中には近日来演される演者の知り合いの落語家も
そんな辛い地獄への旅も1時間超えの楽しい旅として演じられる上方落語

死後、渡し賃を払い裁きを受け六道のどこへ行くかが決められる
生前の行いは浄玻璃の鏡に映され、嘘や隠し事は一切通じない
地獄道へ行くと責め苦を受け続け、アニメ「地獄少女」では永遠に彷徨い続けるとされていますが、一番最下層の阿鼻地獄、無間地獄はそこまで2,000年かけて自由落下した後に人間界の時間に換算して349京2413兆4400億年の寿命を全うしてようやく輪廻となるそう

古典の先生(僧籍を持っている)は僧侶が死後そこへ行きますと仰ってました
イエスキリストが死して、その後の道を示されたお話にも似ているような気がします

その地獄道でも藪入りという休日があることを初めて知りました

奉公人が旧暦1月16日と7月16日、奉公先で重要な行事を済ませた後、実家でも行事に参加が出来るという意図だったそう
その後に閻魔大王が亡者を責めさいなむことを止める賽日であるとされるようになり、各地の閻魔堂や十王堂で開帳が行われ縁日が立つようになる

「蜘蛛の糸」のように亡者を助ける転機が訪れるのかもしれません
この地獄道の信仰こそが、人間界において悪いことをしまいというお導きだと私は考えます

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