村上春樹さんの「一人称単数」を読みました。

8作から成る短編小説集ということでしたが、時どきご自身がモデルの私小説を交え、(というのは、ご自身が登場してもメインのモデルは他のかたな感じがするので)、村上さんらしい各種知識の豊富な文章が出来上がっています。

毎度のことではありますが、僕にとって難解な諸知識をうっちゃって、文脈や全体のイメージで読み進める必要のある8編でした。
「ジャズ」や「クラッシック」の文字が並ぶと、僕は音楽ではなく、ダンスを思い浮かべるのです。

そして、それらの知識が色こく醸し出される文章を読むと、僕は文章のエッセンス抽出作業にとっかかることを余儀なくされる・・・というよりは、無関心なものは右から左へ流して、村上さんの表現の好きな部分に集中する・・。

結果、読了して村上文学のイメージだけを味わって、もう少し村上文学の味の濃い作品を探すのです。
最近なかなか出会わないんですけどねぇ・・・。

少なくとも「ノルウェイの森」や「1Q84」を読んだときにはこんな感じではなかったので、村上さんの作品の感じ方もいろいろなのかもしれません。

正直自分にとって無駄な表記の多い文章・・・最も多い文章の類に入りますが、なぜか好きで読んでしまう作家さん。
ぼんやり楽しんでもいいんですよねぇ・・・(@_@;)

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