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ペルソナ5Sを遊びました(ネタバレあり記事)

というわけで前編のネタバレなし記事に続いてネタバレ全開めな記事を書くよ

間違ってこっち開いた人はブラウザバックしてください

前回記事はこちら

早速ネタバレゴリゴリ感想を書いていくよ


1.ストーリーについて(ネタバレあり)

基本、前編は読んだものとして語っていくので前編をまずよんでね

前編で少し触れたんだけど、このゲームのキモというか、核になっているのは「あの日世界を盗んだ怪盗団たちの更なる成長や、その先にあるもの」だと思う

全体的な流れとしては
改心の力を得た怪盗団もどきの王たちと対峙して「怪盗団の正義って何?」という問答をやっていく
→合間に新メンバーたちも旅の中での答えを探して辿り着く
→この旅での問答の答えを受けて、最後にメンバーがやる大仕事で締め
って感じ

その中身についてちょっと掘り下げてお話
今回の「ジョーカー世直し全国行脚ツアー」では、歪んだ形とはいえ「改心」という行為を一般人がどう見ていたか、そしてそれを受けてどうするかという問答を繰り返す
今回の敵は、悪人の持つ悪の心そのものである「オタカラ」ではなく改心させた他人の心「ネガイ」が盗みの対象であり、シャドウ自体は心を盗まれ改心するのではなく、「対話や説得」でシャドウを改心させている

そして前回と何より違うのは、今回の敵であるジェイルの王たちはあのレイプ魔体育教師やら酔っ払いハゲ汚職議員やら成金半グレチビデブやらのウルトラクズと違い、「周りの環境によって歪んでしまった・折れてしまった心の芯を、EMMAで賄ってる人たち」で、話せばわかるぐらいの悪人になっている

大体がまあ抵抗されてふんじばってからの再説得になるんだけど、その辺の流れはちょっとだけP4っぽい

そして「トラウマルーム」でジェイルの王たちの背景もちゃんと掘り起こされるため、メンバーに同情を誘い、各地での事件はジョーカーたちに「自分達の正義は正しいのか・何が正義なのか」を問い続ける

正直なところP5のジョーカーたちは相対する敵が総じてクズすぎて、そういった迷いを持つ暇すらなかったと思うので、描く切り口としては素晴らしいと思う

その問答には皆んな大好き近衛明とのバトルでその問答には一つの決着がつき、そのあと出てきた感情なしなしおばさんの部分は「P5Sの仲間として出てきたソフィアが、この旅で何を学んだか・どう感じたか・どうするか」という“P5Sとしての締め”をちゃんとやるという本当にしっかりした話

でもペルソナ覚醒の時のピャンドリャーピャーみたいな叫びは普通にちょっとおもろいのでやめて欲しい

そして最後のボス相手への対抗手段が「民衆のネガイを顕現させるために民衆全てに予告状を出す」とかいうなかなかイケメンな感じでとても良い

全体的には「すげえよくできたお祭りもの」という感じで派手で豪華な印象をラストに受けた

2.キャラクターについて(主に新キャラ)

次はキャラクターについてなんだけど
今回は心の怪盗団メンバーたちに関連するテーマを持つみたいな人たちが基本的に大ボスとして立ちはだかり、最後には「心の怪盗団」そのものと対峙するテーマを持った者が立ちはだかる…みたいなストーリーラインの性質上、仲間キャラ一人一人(竜二以外)がクローズアップされていく

といっても敵とテーマ共有してるものも居れば、仲間とテーマ共有してるものも居てでごちゃってはいる
誰ともテーマ共有してない竜二は竜二で、夏休みではっちゃけるお調子者な面と別に仲間思いのしっかりしたやつという描写がされており、5の事件から成長した部分を見せつけてくれるので全然オッケー

ソフィーを助けようと自分を顧みず手を伸ばすジョーカーの身を誰よりも早く支えるとか親友感あっていいよね

テーマ共有してるメンバーは自分が結構な苦しみを抱えた人だったりして「おめえもがんばんだよ!」って最後にはシャドウ相手に檄を飛ばす係なんだけどそのときの説得力が半端ない(特に裕介) やっぱこいつら学生の身に余りある悲痛な経験しとるよ いい仲間が見つかって本当によかった

そして追加メンバー二人とテーマ共有してる真とモナもいいよね
自分が何者かわからない苦しみを共有する仲間のソフィアとモナ、腐ったところも見てきて、自分も腐りかけてる善吉と、それでも憧れた父と同じ警察キャリアを目指す真 って感じの二人の会話とか結構好き 特に善吉真の会話は好き 同じ境遇の親と子の視点だから対比もわかりやすいし、お互いがお互いに何かを教わってるあの感じ超いい

というわけで追加キャラ二人の話に入っていく

まずメインヒロインのソフィア
感情お勉強スーパーAIのマスコットキャラ枠
モルガナの出番を食ったかと思いつつその辺は結構バランス良くて安心
ジョーカーたちはもう成熟しきっていて、基本的にかっこいいだけなので物語的な主人公はやっぱりこいつと善吉になるんだろうなと思う
正体は感情が日影ちゃんより全然ありそうな人に作られたEMMAの失敗作
といいつつEMMAはEMMAで手口は巧妙であれど結構ステレオタイプなAIの暴走をしでかしたのでこっちのが全然成功してると思う
まあ失敗作と呼ばれて破棄されたのは理由があるんだけど、めっちゃ端的に言うと感情なしなしおばさんの怒りの感情に任せて破棄された可哀想な子

怪盗団の仲間として行動する内にどんどん感情が芽生えて行き、最後には機械に心が芽生えた確たる証としてペルソナまで目覚める 覚醒した後のムービーは喋り方もちょっと変わるの良いと思う
都合上、心の成長を1番描かれてるのはソフィアなので、少年少女枠の成長系主人公って感じかな
あとちょっと手塚ヒロインチックなデザインと好奇心旺盛な性格でかわゆい

そしてもう一人の主人公 長谷川善吉
こいつに関しては最初から「俺は腐った公安なんだしなんでもやったるぜ…おめえら怪盗団も利用して捨ててやるぜ…」みたいな態度を取るものの、滲み出るいい人オーラが全く隠せておらず「こいついい大人枠やん」って最初から思わせてくれる
本格的に仲間になる前からずっと人生の先輩兼パシリのおじさんとして大活躍し、なんと後半ではペルソナに覚醒する
覚醒前の流れも見事なもので、父として、組織に殉ずる大人としての檻をぶち破って「自分の正義」を信じて進むことを選ぶという流れを丁寧に描いてくれる
「逃げろお前らぁ!」って叫ぶシーンとか「やっぱりな(レ」って感じだったけど本当に好き
「茜云々言うとるけど結局我が身可愛さだろ そろそろ自分に正直になれや」と自身のペルソナに激励され覚醒するシーンはこのゲームの名シーンベスト3に入ると思う
最後には鏑木管理官に助けられたり人望もめっちゃ厚い素晴らしい大人
最後の啖呵切りでもアツい男の側面をガッツリと見せてくれるので所謂「外伝追加キャラ」的な立ち位置としては大成功だと思う
物語の立場上でしゃばり過ぎたりしない「大人枠」だったのも成功の一因じゃないかな


ちょっと話逸れるけど、鏑木管理官もかっこいいんだよな とある事由から出世に貪欲で、そのためには自身の正義を一旦曲げることすら厭わない非情な大人ではあるんだけど、このゲームにおけるファンタジー要素の「シャドウの説得による改心」を経由せずに自分を律して、「これで私の出世なくなったけど、組織の腐った部分は切り取れるらしいし私も協力する お前がポシャったら負けるからしっかりしろよ」と檄を飛ばしてくれるおばさん 
普通「悪者の自白を取れるんでもうちょい待ってくれ」とか言っても待たねえよ 意味わかんねえもん

というか鏑木と善吉のスピンオフ漫画とかあったら普通に見るので出してくれ

そしてこの二人を受け入れられたのは、受け入れられる土壌がきちんと存在したからなのも大きいと思う
正直P5時点での過酷すぎる環境や一連の事件で、怪盗団既存メンバーたちは精神的にかなり成熟していて、どちらかというと物語の主人公たちを後押ししたり、見守ったりする立場へともう変遷しているとこのゲームをやって思った

所謂「前作主人公」みたいな感じ もちろんキメるところはこいつらがキメるし、主人公然とした活躍もするんだけど、どちらかというと迷える立場の人々に説得や激励をすることが劇中でも多い
その中で「迷いを抱えた人」が主人公だと見えてしまうように書くのは構成として素晴らしい
山と谷がないとお話しって面白くならないと思うし、殴り合ってうわーピンチーみたいなしょっぱいお祭り話を「p5」として見たい顧客なんて基本的に居ないだろうから、ソフィーとウルフの登場には話としての“必然性”がある
なので「無理やりねじ込まれた感」みたいなのが全然なくて、いやみったらしさも無いしキャラとしても優れていたのでそらやった人間からは好評だよなって感じがすごい

3.キャラクター:敵キャラ編


さらに今回敵に5よりも深みがある とどこかで言われている
これは賛否両論点でもあるらしいけど、「5の続編」という前提があってのこのストーリーの評価を上げたのは間違いなくこの敵役たちにもあると自分は考えてる
あんな素晴らしいRPGを超える外伝なんてなかなか作れないもんだけど、少なくとも敵キャラとの関係性とかそういう部分は、5に迫る 5よりも光る部分も大いにあると思う
同じ人とも思いたくないクズどもが相変わらず敵であれば、また同じ話をメンバー変えてやるだけになってしまうし…いい人過ぎれば「怪盗団のが悪いやん」感が強くなり過ぎてしまう そのちょうどいいラインで作られた悪役たちは結構魅力的

実際シャドウアキラとか超かっこいい 折れない意志で立ち上がって第二形態に移行するシーンは最高
アリス アンゴに関しては正直自業自得感が強いけど、「ちょっと今回の話毛色が違うな…」と思わせる「話のギアを上げていくための敵」としての役割は十分 議員のおばさんあたりからは正直おばさんそんなに悪くなくて、方向性が明確に示され始める

実行犯にも非はあれど悪意はその奥にしっかり存在する ある意味被害者のような集団が今回の敵って感じ
信念というか人としての芯がトラウマと結びついてるみたいな人

そして何より、今回ジェイルができてない奴が1番クソなことが多い 大和田議員は世間を賑わせた高齢受勲ドライバーさんと汚職議員の合成体かな?こき使ってたクソ役員も自業自得感が強いし、表に出て生きてる人間すらもゴミが多いので、そいつらが「悪意を持ったまま粛清される」みたいなのは良いと思う 大体改心した王と道連れになる描写があるので

そして、そんなに悪くない奴が敵だと相対的にオマージュ先も「そんなに悪いことしてない奴」とかになるわけで、今回も結構際どい現実の出来事のオマージュがあったりするんだけど、あんまり悪くない分、メタ的なブラック感はむしろ増してる印象

ただ最初にあったように、「明確なクズをぶっ飛ばす快感やカタルシスがこのゲームの醍醐味なのになんでこんなんやねん」と言う人の気持ちもわかる。
良いところも一杯あるけど、普通のRPGになっちゃったって感覚は確かにちょっとある

4.BGMについて

相変わらず目黒サウンド…ではなく主にアトラスからは喜多條敦志とコエテクからは増岡郷太が今回のメインテーマやら新規ボスBGMやらを書き上げている

前述の通り、増岡郷太はコエテク側から今回のp5Sに参加した作曲家さんなんだけど、ペルソナシリーズ(というか直近の目黒サウンド)のツボみたいな部分を押さえつつ、「無双」風味のアレンジを掛けたり、逆に本編にありそうな感じの曲も書いたり、かと思えばいきなりめちゃくちゃヒロイックな曲書き上げたりする

そしてアトラス側から参加してる作曲家さんの喜多條敦志が通常戦闘を書いてるんだけど、ペルソナ5っぽい雰囲気の通常戦闘曲をバチッと仕上げてるおかげで違和感があまりにもない

このゲームにおける個人的なベスト曲は
daredevilとcounter strikeなんだけど
なんとこの二つは増岡郷太作曲
好みの問題かもしれないけどdaredevilは「アクションゲーになった怪盗団のテーマソング」として余りにも優秀だと思うし、counter  strikeは「アキラという自分の正義を信じる人間との対立」という局面で流れる最高の曲だと思う(この演出周りが良すぎたのも相まって、この後の偽神デミウルゴスことEMMAとのラストバトルは最後のおまけ感というか、本編のイゴールみたいなサプライズも無いので「あぁ、スピンオフ無双作品の絞めだな」みたいな感情が強くなる)

その割に予告状を出したらちゃんと「life  will change」が流れたりと押さえどころは抑えてくる
ただ当曲が(前作の印象も相まって)相変わらずガッツリ印象を残してくるので「新作感」みたいなのはちょっと薄れたりする
daredevilも潜入パートの佳境とか無双っぽいイベントの間とか、TPOをわきまえた登場といえばそうなんだけど、いい曲なだけに最終局面で流れなかったりするのはちょっと勿体無いなと思ったり
ただし、これに関しては何が良い悪いではなく「美味いものがいっぱいあって最後に何食うか悩むんだけど、最後に食うものがこれでもよかったよな」みたいな贅沢な悩みだと思う とにかく本家に迫るレベルで新録曲がいい
ギャリギャリの無双っぽいギターアレンジが入った「last  surprise」含めた本編曲アレンジもいい感じのかっこよさだし、BGMに関してはマジで凄くいい
劇中のBGMの入り方とかも凄いかっこいいし効果的に使われてる場面が多いと感じた
BGMはこんなものかな とにかくよい!

5.ゲームとしてのちょっと補足:難易度RISKYについて

あんま書くつもりなかったんだけどちょっと書かせてくれ
RISKYちょっと難しすぎんか?
順当に本編クリアしたぐらいのレベルで突入したら詰みセーブ量産しまくりそうなレベルでむずい
具体的には色んな敵が刈り取るものより強い
なんか和製wizardryの隠しダンジョンやってる気分になってくるインフレ
今まだ全然序盤だけどこれ敵が強くなり続けるなら心がポッキリ行っちまうよ
とりあえず新宿ジェイル終わったとこだけど主にボスがクソみたいに硬い 死ぬほどめんどくさかった

なんというか割と難易度曲線が雑と言うか極端
ハードモードの終盤ボスよりRISKYの最初のボスを比べたら後者のが断然硬い 回復アイテム使ってSP全快してもまだ足りんみたいな状況になると思ってなかった

このゲーム、草刈りパートは適度な硬さでいいんだけどボスパートがマジでダルいのは全難易度共通で、とにかく理外の硬さをしてる
それが面白さに繋がってるなら別に全然いいんだけど、テクニカルとかとってもなお硬いし苦痛が勝ってしまう
現在主人公だけだと出力微妙に足りないなと思い始めたので仲間育成中 カレーとかドカ食いするなら主人公だけ使うともったいないしな

というわけで続けて挑戦していくけどどこまでやるかはわかんない
ただ攻略用にガチガチの火力特化ペルソナとか組んでる時間はマジで超楽しい
某企業wiki系の攻略サイトとかだと「ガチガチに準備してからRISKYに挑もう!」みたいな論調が凄かったけど、金稼ぎは剛魔復活するお陰でRISKYのが格段に楽だし、レベル90いくかいかないかぐらいで突入しても全然序盤は進めるし、ジェイルごとにモチベあったが全然おもろいと思うので、刈り取るものノーマルで殺せるぐらいになったら突入でも全然いいのかななんて思いました

それで倒せねえ敵が出てきたらやめ時かもなぁ

ということでこのゲーム、クリアしたけどもうちょっと遊んでみます。全部終わっても多分何も書かないけど


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