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我毒母への詩

私にはできないことがたくさんあった
靴ひもが上手く結べない
〇〇ができない 〇〇もできない
毒母は我に言う
お父さんと同じ 不器用なんだから

あの家の子と遊んではいけないと言う親
なぜ家の子と遊んでくれないのと言う
その子の母
子どもの私が知ったこの世の不条理

高齢になった毒母が言う電話越しの声
「暑いから気をつけて」なぜ子どもの時に言ってくれなかった

お前は お前は お前は
我は母の所有物だった
子どもの頃に知った絶望

他人は無責任に言う
あなたのお母さんは綺麗ね
あなたは本当に普通の家に育ったのね
皆知らぬ
我の底知れぬ心の闇を

家族とは 家庭とは
閉ざされた逃げようのない社会機能
たとえ自分の尊厳がないがしろにされても

祖母の墓参りそそくさと済ます毒母
ああ この人も自分の母の愛とすれ違った人生を生きてきたのか

これが常識 これが世間体
毒母の価値観が子どもの私には全てだった
変わったお前は恥ずかしい
我は少しずつ病んでゆき

特養の看護師をしていた私
「死んだら知らせてください」
と言う娘
今ならあなたの気持ちに共感できる

毒母の口ぐせは「お姉ちゃんなんだから」
なんで〇〇を置いて遊びに行くの?
あんたが弟の面倒をみるのが普通

毒母に一度投げつけたかった
あんたの娘になんか生まれたくなかった

人は皆1人 生まれて来る時も1人
死ぬ時も1人
毒母の仕打ちを思い出すたび
自分に言い聞かせている我の人生

なぜ父はあの母と結婚したのか
父は知らない
毒母の私への言葉の虐待
私への無視を





 



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