自虐ネタと私

自虐ネタで笑いが取れる。

それを発見したのは、中学1年生の頃だった。

当時、父のギャンブルによる多額の借金が発覚し、両親の夫婦喧嘩が絶えなかった。
私はそれを(家庭の事情は伏せて)自虐ネタにして笑いをとっていた。

自分の不幸事を友人に笑い飛ばしてもらうことで、当時自分が抱えていた大問題が大した事ではないと思えたからかもしれないし、笑いをとる行為自体でストレスを発散していたのかもしれない。

とにかく、それからというもの家庭の自虐ネタに限らず、ありとあらゆるネタを探しては友達から笑いをとることが当時の私の生きがいになっていた。

中学生時代はかなりの奥手だったので、男子とは全くと言っていいほど話せなかったが、クラス内の〝面白い人ランキング”で、女子票を総なめにして、クラス公認の陽キャ男子を退けランキング一位に輝いた。
そして中学生の最後の頃には吉本新喜劇に入りたいと真剣に考えるほどになっていた。

というわけで大人になった今も、ともすると自虐ネタで笑いをとろうとしてしまう節がある。
言った後に、
「言いすぎたかな。まずかったかな。」
と思うこともよくあるが、
「まぁ、いっか。本当のことだし。」
とすぐに思い直すのが毎度のパターンである。

いい人ぶろうとしても、自虐ネタで素性がバレてしまうこともある。
でも、いい人ぶろうとする私も、自虐ネタで笑いをとろうとする私も、そのどちらも○で、私は私なんだと思うようにしている。

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