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夜が濃い日〜ベンタブラック〜

心が追われた娘は

粉々(バラバラ)にならないよう心を護った
失った思いやりは床に打ちひしがれているそれはまるで
憤怒した老父怯える老婆
悲しいのは行き場のない黒の塊
夜は深い青と濃い黒を混ぜ合わせた
1番黒い色を知っている青年は
居なくなった猫の色を呟いた
ベンタブラック
何をも見えなくしてしまった人間のエゴは卑しく愚かで怠慢であるのに
居なくなった猫の色は夜のそれと同化しない
せめて黒に黒を重ねて
光を集めないで



娘が飼っている猫のうちの黒猫一匹を祖父母に預けた。
先住猫との折り合いが悪いからと黒猫は娘に戻されたが…

#詩
#ベンタブラック

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