本人確認情報における『年金手帳』
本人確認書類についてお話させていただきます。
登記済権利証が無い場合に司法書士が本人確認情報を作成して登記済権利証に代わる書類として法務局に提出することがあります。
この際、身分証明書として1号書類として顔写真付きの証明書(例、運転免許証、マイナンバーカード等)を提出するのであれば1点だけでよいですが、顔写真付きの書類が無い場合2号書類として2種類の証明書が求められます。この2号書類には国民健康の被保険者証、後期高齢者医療の被保険者証、介護保険の被保険者証や年金手帳、母子健康手帳、身体障害者手帳などが考えられます。
過去の事例として、売主である登記義務者(50代)が権利証を紛失しており本人確認情報を作成するうえで、当初、1号書類にあたる証明書がなく健康保険被保険者証しかないということでした。
話を聞くと運転免許証を返納しておりマイナンバーカードの申請も行っていないとのことでした。年齢的にも後期高齢者医療の被保険者証や介護保険者証を持っておらず、さて、どの証明書を添付するべきなのか・・・
年金手帳を添付すればよいのでは思い確認するとお持ちの年金手帳にはなんと住所の記載がなく本人確認書類として使用できないことが分かりました。年金事務所に確認した所、「年金証書」には住所・氏名・生年月日の記載がされていますが、実際に年金を受給している方にしか発行していないというものでした。
将来的に年金を受給できる方には「基礎年金番号通知書」を発行できるとのことでしたが、この通知書には住所の記載がされていないとのことでした。
よって、本人確認書類として使用できないことが分かりました・・・
年金手帳が使用できないため、頭を悩ませていましたが、運転免許証を返納しているのであれば【運転経歴証明書】が発行できるのではと思い確認した所、無事に発行できましたのでこちらを1号書類として添付することにしました。
私自身、2号書類を使用する際、「後期高齢者医療被保険者証+介護保険被保険者証」のパターンが多かったため年金手帳を利用する場合、注意が必要だなと思いました。
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