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ナハツェーラー

水面(みなも)が好きな彼は言った
外から人が来ていると


だけれどそこには誰もいない
辺りは一面、灰と綿埃だらけ


そうか と思い出したかのように
もう一度彼は言った


あれは目には見えない何かを光を通して見定めるのだ


彼は何を言ったのか
私にはわからなかった


それでも風は吹き続け
辺りは一面、闇の中

一輪の化粧道具さえも光らぬ闇の中


瞬く間に彼はどこかへ消え去った。

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