振り返り2:相掛かり▲35歩位取り
やや珍しい形
先手で相掛かりとなった。▲36歩に△64歩としてきたため、成り行きで
▲35歩位取りに。
形の組み合わせ
ここは▲87歩から▲26飛と頑張るのが良かったようだ。
大抵の場合は29(81)にダイレクトに引ければまずまずなのだが、▲35歩型においてはバランス上26が勝るということらしい。
本譜は△13角から△35角と取られてしまい、後手としては不満のない展開にしてしまった。
読み抜けその1
この局面およびその後で、▲44角と取ると△89飛成でまずいと勘違いしていた。しかしそれには平凡に▲53角成でもいいし、▲88角△86桂に▲87角が最善で優勢である。
ひどい読み抜けではあったが、形勢に影響はなくて助かったところ。
順序が逆
飛車を交換して有利になったところだが、▲29歩が悪手。
こうして飛車打ちを消しておけば後手の手がないと思いこんでいたが、実際には△15歩と伸ばされて先手が忙しくなっている。
ここでは▲82歩△同金▲71飛で先手有利だった。
次に▲45桂が厳しいが、△72飛には▲83歩で攻めが繋がっている。
▲45桂△42銀▲71飛は△31金でうまくいっていないという読みで、
▲71飛と置いてから▲45桂という組み合わせが見えなかった。
読み抜けその2
ここは▲48玉で先手有利である。本譜は▲47香と打ってしまった。
これには△76角があったが、お互いに見逃していたため、先手よしで終盤へ突入した。しかし△76角があろうがなかろうが、▲47香は脱出口を塞いでいてありえない手である。
そもそも、▲48玉という普通の手がなぜ見えなかったのかよく分からない。
次の一手
ここでは▲63香△同金▲61銀が明快な寄せだった。
92の成香が抜群に働いている。
本譜は▲81成香△同龍▲63銀としたが、明らかに危険な方向へ向かっている・・・。
正直なぜこの手を指した(指さなかったのか)分からない
▲89香で先手勝ちである。
△93銀▲81香成△同玉▲31龍に、△同銀ならば
▲71飛△92玉▲72飛成で詰み。
▲89香は考えたのだが、お粗末なことに▲72飛成を見落としており、ふらっと▲72香と指してしまった。
これがほとんど敗着で、後手玉が全く寄らなくなってしまった。
指し手そのものではないが、自玉の安全度に関して完全に測り間違えていたことも反省点だ。
対局中は「△36桂には飛車(龍)がいなければ▲39玉と引いて詰まない→自玉は安全なのでゆっくり攻めることができる」と捉えていたのだが、これが大間違い。
正しい認識は「飛車(龍)がいなければ詰みはないが、△36桂に▲39玉は△26香、▲58玉には△77銀で詰めろが続く。よって、詰めろ級の手の連続で寄せる必要がある」だった。
一局全体を振り返って
私は、指した将棋を振り返る最大の目的はミスした原因が何であるかを明確にすることだ、と考えて取り組んでいる。
見落としにも大抵の場合は原因があり、後から気づく。
しかし、本局は説明のできないミス、見落としがあまりにも多かった。
こういった場合はどうやって振り返ったらよいのだろうか。
今のところは、不出来な将棋だったというよりも不出来な状態だったということにしておく。
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