アリス&テレス

色々なコミュニティにふらっと足を運んでは、文句を言って帰ります。

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最近の記事

大塚久雄「マックス・ヴェーバーにおける資本主義の「精神」」『マックス・ヴェーバー研究』第二章脚注(7)について――あるいは、ヴェーバーにおけるカルヴァンとカルヴィニズムについて

 最近、古本屋さんを巡ることを趣味にしている。そこで、思いがけない本との出会いがあった。大塚久雄, 安藤英二ら『マックス・ヴェーバー研究』(岩波書店, 昭和47年)である。  知らない人にはちんぷんかんぷんだろうけれど、大塚久雄(敬称略、以下同様)と安藤英二、内田芳明に住谷一彦という錚々たるメンバーの論文集だ。まだ全然読めていないけれど、僕の知的好奇心はグングン高まっている。  さて、そのうちの一稿。大塚による「マックス・ヴェーバーにおける資本主義の「精神」」という論考に

    • 【天気の子】そもそもなぜ、東京は雨に暮れていたのか【考察】

      本記事は、新海誠監督作品『天気の子』のネタバレを含みます。 はじめに『天気の子』には様々な謎が散りばめられている。謎というと大袈裟だけれど、奇妙な点がいくつもある。  最も大きな謎として、「そもそもなぜ、東京は雨に暮れていたのか」という点が挙げられる。 『天気の子』において、大雨に降られる東京は半ば舞台設定と化している。  それはまるで、『ハリーポッター』の世界に魔法があるのと同等であるかのような気がする。  つまり、ツッコんではいけない、そういうものとして受け取らな

      • 過剰に「正しい」世界で、息をするための基礎理論

        はじめに 現代社会を生きるということは、暴走する規範に断罪され続けるということである。  私たちは、過剰に「正しい」時代に生きている。この漂白された世界で、私たちは呼吸さえできないでいる。  本論は、この現状に抗うために書かれている。人間を無視して「正しく」なっていく世界で、人間の居場所を守るために書かれている。  私は、規範の暴走を批判する。  私は、倫理の膨張を拒否する。  私は、不当な「正しさ」を遠ざける。  代わりに私は、人間に息をさせるような規範を思い出

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        • 「ゆる言語学ラジオ」批判の根本的無理

          はじめに Podcast及びYoutubeで活動している、「ゆる言語学ラジオ」というコンテンツがある。皆様はご存じだろうか。  ご存じない方に向けて、簡単にご紹介しておきたい。 「ゆる言語学ラジオ」はその名の通り、言語学的なトピックを、面白おかしく扱うラジオだ。具体的には、「象は鼻が長い」の主語は「象」か「鼻」かという議題や、英単語「spring」が「春」や「ばね」や「泉」という複数の意味をもつのは何故か、等の興味深い話を聞くことが出来る。  しかしこの「ゆる言語学

        大塚久雄「マックス・ヴェーバーにおける資本主義の「精神」」『マックス・ヴェーバー研究』第二章脚注(7)について――あるいは、ヴェーバーにおけるカルヴァンとカルヴィニズムについて

          推しのVTuberが閉じコン化していった過程

           推しが成長していく過程を見ていると思っていたら、推しが閉じコン化している過程を凝視していた。  最近そんな啓蒙を得た。  そこで、私の推しの閉じコン化要因を可能な限り論理的に、抽象的に、構造的に記述したいと思う。  この体験が誰かの糧になってくれたらと夢想しながら。(チキンも熱意も冷めちゃった……) 1. 配信について まずはVTuberの主な活動である、Youtubeでの配信について記述する。  特に、閉じコン化していく原因と思われるものに注目するので、やや棘のある

          推しのVTuberが閉じコン化していった過程