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今日見た夢_220914

たまに「ただごとではない」スケールの夢を見ます。
ちょっとだけ文章を整えて残しておきます。


船の中にいた。
乗客はみんな不安な表情をしている。
どこかの島に向かっているようだった。

霧が濃く景色はほとんど見えない。
船内には体育館があり、いろんな人がはじっこでうろうろしていた。
中には人ではないような、ボロボロのなにかもいた。
なにがあったかはあまり覚えていないが、怖い思いをした気がする。

目が覚めた。
恐ろしい夢だった。
右手にはスマホが握られており、知らないフォルダが開かれていた。
入っていたファイルは3つ。

・パニックの種×7
(解説:ヒトを混乱させ記憶の混濁を意図的に起こす)
・パニックの実×1
(解説:ヒトを混乱させ記憶の混濁を意図的に起こす)
・死の島の夢に関して.txt

「死の島の夢に関して.txt」にはこう書かれていた。

『死の島の夢に関して

今日見た「死の島」についての夢は人の心に大きな後遺症をもたらすだろう。

それを和らげるため、これから一週間はそちらに送ったパニックの種を一日一回飲んでほしい。

初日は併せてパニックの実も飲んでほしい。
夢を見た直後は人間性が大きく揺らぐ。
それを固定するための薬である。
肉体的な苦痛はあるが健康への被害はないので安心してほしい。』

この夢はおそらく全人類が見たのだろうと予感した。
未知のスケールの出来事に、私は恐怖よりも好奇心を覚えた。

他に夢を見た人間がいるのか。
薬で記憶を失う前に知りたかった。

「島」と入力しただけで「夢」というサジェストが現れた。

やはりそうなのだ。

各々が見た夢の内容は詳細まで全て同じで、自分が見たものとも一致していた。

そして、テキストが示すように、夢は心身に重大な影響をもたらすと悟った。
早く忘れるべきだと判断し、指示通り薬を飲むことにした。

初めは少しもうろうとするような感覚があるだけだったが、やがて強いしびれが体中に起こった。
手足が固まり動かせなくなった。
そして後頭部に突然太い針を刺されたような感覚があった。
耐え難い苦痛がしばらく続いたあと、だんだんと眠気がやってきた。
これで明日からも安心して日常を過ごすことができる。

目が覚めた。
テレビもネットも、夢の話題ばかり。

そう、自分も昨日その夢を見た。

なぜ誰も彼もそのことを覚えているのか?
私は薬を飲んだのに、夢の内容も薬を飲んで苦痛に見舞われたことも全て覚えている。

目が覚めた。

スマホのどこを見ても、パニックの種は見当たらない。
死の島を検索しても、夢について語る記事は見当たらない。

あれは夢だった。

本当に夢だったのだろうか。
これまでとは違う、何か大きな意味を持った夢のように感じた。
真の孤独。
真の恐怖。
その一部を見せられたような、心に残る夢だった。


おしまい。