好きな俳句たち〜句具ネプリ【冬至編】〜
もう新年を迎え、7日ですよ…!
あげるのが遅過ぎやしねぇですか自分よ。
7日といえば、夏井いつき先生の季語手帖には『人日(じんじつ)』とありましたね。
今年は息子も食べられるだろうと七草粥を作ってみました。
さてさて、節々に句具さんでは一人一句投句をすると、まとめていただけてネットプリントで印刷して冊子が作れるようにしていただけます。
そちらに、弥栄弐庫という名前で私も冬至から投句させていただきました!
ささくれや散る蓋裏のブロッコリー/弥栄弐庫
さぁもう本題に入りましょう!
他の皆さんの、私からは生まれなかった素敵な俳句たちのことをずっと言いたかったです。
『好きだなぁ』と感じる俳句がたくさんありました。私にはない感性、見方、捉え方、心底いいなぁと思いながら拝読させていただきました。
素敵な句がたくさんありまして、冊子の1ページにつき3句までという上限を設けて、中でも私の心の琴線に触れた句を列挙していきたいと思います。
敬称略、順不同です。
生牡蠣の恍惚として殻の上/隣安
街路灯雪の速さを映しけり/福原あさひ
客二人無言聖夜のとんかつ屋/美空 らら
朝日さすふくら雀の影ひとつ/小澤ほのか
神の留守達筆過ぎる置き手紙/ゐるす
大寒に生まれし吾子の爪きれい/青居 舞
地球儀の灯りてゐたるクリスマス/あー無精
ゆうと打ち勇者と出たり冬銀河/沖山悠江
初冬や点滴越しの空たぽん/葦屋蛙城
クリスマスイブ抽斗がすっぼ抜け/友定洸太
集金のガス屋歳暮のボールペン/星月彩也華
落葉踏む福祉手帳の深緑/西田月旦
風花や死者には死者の未来あり/加良太知
静やかに年の瀬を掃くモップかな/枇杷つむぎ
進め進め雪の白さに負けぬやう/板柿せっか
産院の赤子揃いて泣く聖夜/土井あくび
ユダの得た銀貨の温度寒の雨/ノセミコ
この鳩と決めて見てゐる日向ぼこ/千野千佳
きのふとの違ひを話すおでん鍋/ギル
僕だけの進路伝える白い息/阿部八富利
鯛焼の鱗破りし餡うまし/庭野環石
恋なんて喉の小骨さ冬北斗/鷺沼くぬぎ
シュー噛めばクリーム出づる春隣/山本たくみ
くたくたの俺より草臥れたおでん/丁鼻トゥエルブ
東京はクリスマスから朽ちてゆく/ヒマラヤで平謝り
虎の如きポインセチアを授かりし/麻月記
冬銀河迫りて萩尾望都を閉づ/月岡方円
未来明るし未来明るし葱洗ふ/西川火尖
さいごまで蜜柑剥く父見守りぬ/唯果
角砂糖ほろり雪夜のカプチーノ/きつネつき
冬銀河オーケストラが降つてくる/村瀬ふみや
鮟鱇つつく不発弾かもしれず/村山恭子
ポッケへ凍星瓦礫の山の上/平良嘉列乙
開戦の日紅茶の名前になる少女/村蛙
計画的に細胞の死ぬ蒲団/南方日午
リーフパイざらめ降らすや冬浅し/いちのべ
冬薔薇えいゑんと云ふ渇きかな/ばんかおり
雑談は好きではなくて雪催/渡辺香野
ブロッコリ鸚哥に空は教へない/桃園ユキチ
実験用マウス生き延び十二月/橋元デジタル
焼鳥は塩のみ恋は一度のみ/はぐれ杤餅
本の背をそっとなぞって漱石忌/青空
対角へすべるビショップ枇杷の花/眩む凡
大縄跳はじめましての前に跳ぶ/後藤麻衣子
みんな、好きーーーー!
それにしても、私は食べ物の句に惹かれることが多いなと感じました。発見です(笑)
人の俳句を時間をかけて読むって素敵なことだなぁと感じさせられました。
また、今回改めて文字として打つ時に、正確な文字を辿ったりお名前を拝見したりして、濃い時間になりました。
新年のネプリもゲットしております。こちらも、時間を見つけて挙げていきたいと思います!お楽しみに。
今度の句具ネプリ企画は立春と思われます!もし、よろしければ(また)ご一緒しましょう。
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