魔闘剣紀 14
闘魔記
解導者から魔記を得たク・セェは、
次の日からボッ・トンとともに、王の捜索に向かった。
ところが捜索中に、マジットにある田畑が、
虫に襲われているところに遭遇する。
マジットは城下町から少し離れたところに、田畑がなどが集中している。
そこにはもちろん、様々な魔巻が貼ってある。
盗、殺虫、奪、消臭、防音、獣、水、保温、など、
畑や作物を守る札が貼られている。
しかし、それでは対処できないほどの虫が、
辺りの畑に溢れかえっていた。
????「待っていたぞ、ボッ・トン、ク・セェ!!」
ボッ・トン「!?誰だ貴様は!?」
????「俺の名は、ミッ・セン!欺魔の匂の魔記を使うものだ!!」
ボッ・トン「!!匂…そういうことか、虫の好む匂いを使って、
虫たちを畑に集めたのか!」
ミッ・セン「ご名答!さすが魔示さまですね!パチパチ」
ク・セェ「ミッ・センとか言ったな…なぜ俺のことを知っている?」
ミッ・セン「それは至って簡単な話だ、貴様たちの情報を、
抜き取っているだけのことだ、…そう、あの本ついてもな!」
ク・セェ「!?…そこまで知っているのか、一体どうやって情報を?」
ミッ・セン「それに答えるほど、俺はバカじゃない!」
特によくある話、と言うのもおかしいが、とどめを刺す前に、
メイドの土産とか言って、全てを話す奴、アホなのかと思う」
ボッ・トン&ク・セェ「それはそう。」
ミッ・セン「とにかく!貴様らに話すことなど何もない!」
「ここで一生畑の世話でもしているんだな!」
その直後、畑に集まった虫たちが、二人に襲い掛かる。
その時ク・セェは、一生畑の世話をするのはいいかもな、
と一瞬考えてしまった。
ボッ・トンとク・セェは、ミッ・センさえ倒すことができれば、
虫もいなくなるだろうと、考えてミッ・センを狙おうとする。
しかし、そうはさせんぞと、虫の動きを操り、行く手を阻む。
その動きに、ボッ・トンは、落を描き、虫たちを落としていく!
その合間をぬってク・セェがミッ・センに近づこうとするが、
また新たに虫たちが湧いて出てきて、近づくことができない!
ク・セェは闘気をまとったが、相手は匂を描いて、それを無効にした。
ミッ・セン「ふっはっは!どうした?ボッ・トン、ク・セェ!」
「本当に一生畑の世話でもする気かぁ?」
ボッ・トン「くっ、言わせておけば…」
ク・セェ「…くそ!一体どうすれば…」
その後も、様々な変化をつけながら戦っていたが、
有効打を見つけられず、二人は体力やキを削られていた。
ク・セェも闘気だけでなく、魔記も使おうとしたが、
会得したばかりのものを、すぐに実戦ではうまく使えなかった。
ミッ・セン「…もう終わりか?噂程ではなかったな!」
ク・セェ「グッ、…俺がもう少し魔記が使えれば…!そうだ!」
この時、ク・セェはあの本を思い出した!
方法は書いていなかったが、ク・セェは一か八か、
まとった闘気で魔記を描くことを思いついたのだ!
ク・セェは、魔記を使う指の形を作ってから、
闘気で、肥溜めと描いて、
ク・セェ「闘魔記!」
と叫んだ!すると、
なんということでしょう!
ク・セェの周りには、肥溜めが広がっているではありませんか!
その肥溜めはク・セェを中心に、約10mほど円を描くように広がっており、
なんと、ク・セェの操るままに、肥溜めが動いているではありませんか!
その様子に、ビックリのボッ・トン。
その肥溜めは、虫たちを飲み込み、そしてミッ・センをも飲み込みました。
それだけではありません!
虫や戦闘によって、荒れ果てた田畑を再生させたのです!
その光景に、ここに集まって、
事態に対処していた者たちだけでなく、
マジット王も拍手を送った!
これにて、マジット王捜索は終了した。
闘魔記とは?
自らまとった闘気で、魔記を描くことによって、
自らの適性の闘気と同じ性質のものを、フィールドに広げる技。
例として、
ク・シャミ→闘気で風を描くと周りに風が集まる
シャ・メン→闘気で土を描くと周りが土に埋もれる
ホ・ウカ→闘気で火を描くと周りが火に包まれる
つまり、闘魔記とは、
フィールドに、土、火、水がなくても、
自らの力で適性のものを生み出せる技のことを言う。
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