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EP.59【台湾発】新たなアイデア、startupsへ

ネットワーク効果: Andrew Chenの「コールドスタート理論」part-6

結語

ネットワーク効果がもたらす経済的影響は、無視できない市場の力です。アンドリューの本を読んで、ネットワーク効果の複雑さと奥深さをより理解できました。この記事を書く中で、他のビジネス書ではあまり触れられていない重要なポイントと考えが浮かびました。

原子的ネットワークの重要性とネットワークの密度がネットワークの規模よりも重要である点:理想を言えばユーザー数が多いほどネットワーク効果は大きくなります。しかし実際にはそうではありません。Google+がその一例です。原子的ネットワークから発展しない場合、規模があってもユーザー間の結びつきが緩くなり、参加率が低下し、結果としてユーザー獲得力が発揮されなくなってしまいます。

製品の機能をコピーするのは難しくないが、ネットワーク(と良いユーザーエクスペリエンス)をコピーするのは困難です。:前半はアンドリューの言葉で、括弧内は私が付け加えたものです。製品の機能や外観をまねする模倣品は必ず現れますが、それによってネットワークを持つ製品には防御力が生まれます。

製品以外に、私はユーザーエクスペリエンスがネットワーク製品の重要な側面だと考えています。良し悪しのユーザーエクスペリエンスが口コミの鍵を握ります。推薦制やキャッシュバックなどは、口コミを加速させる効果はありますが、根本的にはユーザーエクスペリエンスに尽きます。

しかし、良いユーザーエクスペリエンスとは抽象的な概念です。AirbnbのグローバルオペレーションでリーダーのMichael Schaecherは次のように述べています。「初期のAirbnbでは、常に前向きな『期待ハズレ』をユーザーに与えようとしていました。まだ新参者だった頃は期待値が高くありませんでしたが、実際の体験にはビックリさせられました。口コミが広がり、多くの家主が参加するためには、こうした体験が不可欠でした」

この答えが、最近見たドラマ「The Bear」にも表れていました。高額でかつ予約が取れない有名レストランで、客が偶然シカゴを訪れていることを話しただけで、店主は特別な一品を手配しました。常識を超えたおもてなしは、単にその場所での素晴らしい体験を提供するためでした。

期待値が低い状況で予想外の驚きを与えれば、良いユーザーエクスペリエンスが生まれます。そして多くの人に共有したくなるほど良い体験であれば、ユーザー獲得が容易になり、参加率も高まり、結果としてより大きな経済効果が得られるのです。


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