【詩】てのひら
あなたの小さなてのひらに
たった一羽の赤い折り鶴
そんな未来に なったらいいね
戦地がなくなって
この折り鶴の行き場がなくなるような
あなたの小さなその足先に
ふんわり止まった紋白蝶
いつかは離れ離れになるね
それでも後ろを振り返らずに
あなたのままで駆けて行けますように
あなたの小さな膝小僧に
転んでしまって残った傷跡
大丈夫 一人ぼっちじゃないよ
私があなたに駆け寄り抱きしめるように
必ずあなたの味方がいるから
これからぐんぐん背がのびて
今よりもっと景色が広がる
もしも その景色が
あなたが思っていたものとは違っても
どうか落ち込まないで
今は未だ 小さなてのひらだけど
いつかは あなた自身で
見たい景色を 選べるようになるから
だから今は
あなたの手のひらをそっと握るよ
おまじない と 願いをこめて。
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