【詩】花言葉
その花を見る度
いつかの貴方を想い出す
花言葉は「優しい思い出」
貴方はいつだって柔らかに笑った
纏まりのない私の話にもそっと耳を傾けてくれた
貴方が話す昔話が好きだった
白黒写真の中の人たちと逢えた気がして
貴方はどんな日も無常の愛をくれた
こんな私を誰より大切に思ってくれた
けれども貴方が口ずさむ歌を
何とも尋ねず ただ私はそこに居た
私は何も貴方に返せなかった
確かに同じ時間を歩んだ筈なのに
貴方が愛した花。
その花言葉は今、
「永遠の別れ」となった
確かに繋がれていたこの手には
貴方が愛した花が握られている
ほんの数秒で構わない。
だから そっと見に来てほしい。
貴方が愛した花を。
そして そっと見つけてほしい
この花みたいに「強く」生きる私を。
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