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【詩】あなた

あの日 静かに電話が鳴って
悲しい知らせが私を包んだ

最期に一言かけたくて
ありがとうを伝えたくて
そして大好きなあなたをもう一度抱きしめたくて
私は特急列車に乗り込んだ

レールを走る列車の音が響き
素っ気なく そして 味気なく
過ぎる景色を横目に 
その日から長い長い孤独が始まった


あの日から幾つのカレンダーをめくっただろう
私は今日 あなたに会いに
特急列車に乗り込んだ

あなたに添える白い花を買って
その花束に溢れんばかりの涙を注いだ

もう、どんなに急いでも
あなたのもとへは辿り着かない。

それでも私はあなたを想い
駅のホームから雲一つ無い空を見上げた

通り過ぎる電車に
どこかあなたの気配がする

形はなくなっても
見えなくなっても
あなたに会える。

今日、そんな気がする。

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