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上品なエッフェル塔とクールな東京タワー
「東京」といえば、何を思い浮かべるだろうか。
わたしの頭に思い浮かぶのは、夜の東京タワーだ。
赤くライトアップされており、高いビル群の中にそびえたつ塔。
東京スカイツリーはより新しく、さらにはより高い塔ではある。
しかしながら、個人的にはスカイツリーより古く、低い東京タワーが断然推せる。
東京タワーは、かつての日本を支えたシンボルというイメージが強いからだ。
幾人もの若者が、大きな夢を胸に抱えてこの地を訪れたのだろう。
そして、この塔がライトアップされてもなお、働き続けていたのだろう。
当時の人たちを想像し、感慨深い気持ちになれる、そんな東京タワーが私は好きだ。
東京タワーはエッフェル塔をモデルにしたのだろうか。外観がそっくりだ。
ただ、2つの塔は何かが違うとも感じる。
まず、ライトアップが違う。
エッフェル塔は金ぴかに光っており、上品できらびやかな印象だった。
一方、東京タワーは赤を基調としており、クールでかっこいい印象。
また、周りの雰囲気も対照的だ。
エッフェル塔の周りにはたくさんの公園や広場がある。
わたしは2年ほど前にエッフェル塔を見に行ったとき、陽気な観光客がそこら中で歌声を響かせていたり、彼らに酒を売り歩く商売人がうろついていたりして、あまり気が休まらなかった。
対して、東京タワーの芝公園。観光客も多く活気はあるが、静かで落ち着いた空間だった。もちろん、怪しい商売人も見当たらない。
日本人の国民性なのか、日本の安全性なのか。
理由はわからないが、クールな景色を目に映しながらゆったりとした時間を過ごせる東京タワーは素晴らしい。
上品なフランスのエッフェル塔と、クールな日本の東京タワー。
どちらにも共通しているのは、国の象徴として数十年もの間、首都を支え続けてきたことだ。
このように歴史ある建造物は、その当時に同じ景色を見ていた人たちの気持ちに思いを巡らせるきっかけを与えてくれる。
今日まで、数え切れないほど多くの人たちが喜怒哀楽を経験してきた。
その積み重ねがあるからこそ、今の生活がある。
わたしは、顔も知らない彼らに感謝している。
そして、数十年後、次の世代の誰かに感謝される人間でありたいと願う。
明日にはこの気持ちを忘れているかもしれない。
けれど、少なくとも現在は晴れやかな気持ちでいっぱいだ。
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