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世界平和のためにできることは、家に帰ってあなたの家族を大切にすることだ

家の近くにある公園では、少しずつ桜が咲き始めている。
わたしは桜が大好きだ。アカウント名に入れるくらいには愛着をもっている。一瞬で咲き一瞬で散る儚さ、そして何よりその美しさ。
桜を見るたびに春を感じ、しみじみとした気分になる。

春は出会いと別れの季節だ。
多くの人が進学や就職を機に上京する。私もその1人だ。私の友だちも東京で就職する人ばかりだ。

なぜ、東京にはこんなに人や会社が集まるのだろうか。「東京一極集中」が問題になっているとニュースでたまに耳にするが、ここまで進んでいるという事実には驚く。 「東京の社会人」という響きがカッコいいからかもしれない。響きは良いが、わたしは気に入らない。何となく鼻につくから。

東京行きの新幹線から、目まぐるしく変わる景色を眺める。
この新幹線に乗って、大学生から社会人に「昇格」できるんだ。しかし、社会人になったからといって何が変わるのだろうか。東京旅行の気分で上京しているわたしには、いまいちピンとこない。

学生と社会人の違いについて考えてみたが、学割が使えないとか、女子大生と遊びづらくなるとか、そんなしょうもないことばかり頭に浮かぶ。(呑み会で女子大生と遊んでいる社会人がいたら、少なくともわたしは白い目で見てしまいそうだ。)
 

社会人になるということの意味とは、何だろう。


傍観者から、当事者になること。
評価する立場から、評価される立場になること。
抽象的な議論は意味をなさず、具体的な行動を求められる。
サービスを受ける消費者から、価値を提供する労働者への転換。

学生の間は、「日本経済は、失われた30年で苦しんでいるんだぞ」と偉そうな先生の講義から何度も聞かされた。
これから、その苦しむ日本経済の一部になる。この国の暮らしを支える歯車になっていく。

言うは易し、行うは難しだ。その過程では、いくつもの困難や理不尽もあるだろう。しかし、歯を食いしばって、手足頭を動かし、汗水を垂らし、仲間と手を取り合って、そしてこの国を変える一助を担いたい。


マザー・テレサはこんな言葉を残した。 
貧困や病に苦しむ人々の救済に生涯を捧げ、ノーベル平和賞を受賞した女性だ。
1972年、彼女は受賞後のインタビューで、「世界平和のために私たちができることは?」という質問に対して、このように答えた。

「家に帰って、あなたの家族を大切にしてあげなさい」

デカいことを成し遂げるためには、目の前のことを愚直にやるしかない。目の前の人を喜ばせるためにできることを考えて、日々実践していくしかない。  
目標がどれだけ大きくとも、実際に自分ができることはほんの小さなことだけなんだ。

「この国を変えるために、目の前の人の心を動かす」
響きは良くないが、わたしは美しいと思う。そんな社会人を目指す。

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