ブンチャーの話

ベトナム料理は好きだ。
ベトナムに駐在して良かったなあと思う理由の1つがベトナム料理と言ってもいい。というか、今日まで何とかめげずに生活できているのは、ご飯が美味しいということが支えになっているような気がする。
安いし、大抵のものは、そこそこにうまい。

平日は、会社に行っているが、昼食は大体屋台飯が多い。
フォー、ブンチャー、バインミー、ソイ、コムビンザン・・・
大体5日間このサイクルでローテーションになりがちである。
特に何も考えなくても、ほぼ間違いがない。
(それにしてもそろそろ夏を迎え、ハノイも昼間は凄まじい暑さになってきたので、熱いフォーを食べるのは最近はシンドイ。別のものに変わりがちである)

ハノイ在住日本人に好きなベトナム料理を聞くと、色々な答えが返ってくるが、ブンチャーと返ってくることが多い。
ブンチャーは炭火で焼いた豚肉の入った甘辛ダレにブンという米粉の麺をつけて食べる料理。炭火焼肉つけ麺といったところか。なんとなく日本人好みの料理なような気もする。
ちなみにブンチャーはベトナム北部の料理であり、南部ではそれほどメジャーではないらしい。

ブンチャーといえば、ハノイで有名なのが「オバマブンチャー」と呼ばれるブンチャー屋である。つまり、オバマ元米大統領が来店したブンチャー屋である。店の正式名称は、 Huong Lien フォンリエンという。

先日私もついにオバマブンチャーに行ってきた。実は事前に現地スタッフから「あまり美味しくない」という話を聞いていたが、ハノイに住む以上やはり1度くらいは行かねばと思い、行ってみた。結果、

Bun cha đac biet (スペシャルブンチャー)を注文

うーん・・・と思わず唸ってしまう。いい意味ではない。
別にまずいわけではないのだ。何せオバマ元大統領が来たという有名店だし、ランチ時、店はお客がいっぱいで大繁盛である(大半は外国人観光客だが)。
しかし、明らかに普段食べているような道端のテキトーなブンチャー屋の方が美味しいように感じる。肉の焼き方の問題か?ちなみに肉の量も付いてくる野菜の量もそんなに多くない。道端の名もなきブンチャー屋の方が、この点においては遥かに気前が良い。

まあ一度くらいは経験として行ってもいいのかもしれない。オバマも食べたブンチャー食べたぜ!という経験を買ったと思えば、まあ良いかもしれない。

しかし誰かに感想聞かれたら、たぶん勧めない。
ここよりも美味しいブンチャーは、ハノイには掃いて捨てるほどある。

それからこのオバマブンチャー、観光の中心地である旧市街から微妙に距離があるのだ。歩けない距離ではないが、そこそこ遠い。頑張って歩いた割には大したことがない、がっかりグルメである。

観光でハノイに来て、ブンチャー食べるならダックキムの方が私は好きである。ダックキムは観光の中心地である旧市街の中にあり、立地は良い。
ダックキムもかなり有名店であり、観光ガイドブックにはほぼ必ず載っている。

ベトナム人に「美味しいブンチャー屋連れて行ってあげる」と言われて2回ほどこの店に連れ行かれたことがあるので、現地人の間でも味はそれなりに受け入れられていると思われる。

ダックキムのブンチャー

ちなみに量は多い。麺も野菜も、肉も。
相応に値段も道端のブンチャーよりは高いが。

もしこの記事を読んでいるハノイに旅行予定の人がいたら、オバマブンチャーではなく、こちらを全力で勧めたい。ちなみに春巻きも結構美味しい。


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