史上最強の哲学入門 感想

●本を読む目的
 
嫌われる勇気でアドラーの目的論の対となる経験論についてインプットする。あとはシンプルに哲学全体の流れをざっと復習する。

●印象に残った内容
・アドラーとサルトルの自由と生き方についての考え方に共通点があると感じた。アドラーは他者から嫌われることを恐れず、他者の人生を生きないことを自由と呼び、他者貢献を「導きの星」として生きていくことを主張した。サルトルは人間が価値基準もわからないまま選択を迫られ、その責任を取らされることを「自由の刑に処されている」とし、だからこそ、それから目を背けずに決断をしていくべきと主張した。両者ともに絶対的な正解のない人生で、失敗を恐れず決断することを説いている。

・「資本主義経済は成長し続けなければならない」というのはよく聞く話だが、冷静に考えてみるとなぜなのだろう。。。共産主義社会が良いとも思わないが、改めて考えると、経済成長しつづけるということも無理があるように思う。
下記の参考資料では3つの理由が挙げられている。
経済政策の目標として現代の「自由主義」と非常に相性がいいこと:多種多様な価値観を認めなければならない自由主義においては、価値中立的な経済成長を目標とせざるをえない
為政者が「清算の日」を先送りできること:古い約束を守る期日を、新しい目標を更新することで先送りにできること
多様な価値観があふれる現代社会で、個人の人生を意味づける社会理念の最大公約数が「経済成長」:人はなんらかの価値に献身することによって、自身に価値を感じることができる。(⇄価値があると判断するのは他人であるから、それを目的にしてはいけない。主観的に価値があると認識すべき)

参考
経済成長はなぜ必要なのか
https://cigs.canon/article/20190808_5940.html

誰がための経済成長か
https://ideasforgood.jp/2021/10/27/wellbeing-economy/

●感想
自分が刃牙シリーズが好きなこともあって引き込まれたというのもあるが、わかりやすくシンプルに面白い。高校の倫理の教科書にすべき。
今回はアドラーとの関連を見たいと思っており、その点では心理学者であるユング・フロイトはでてこなかったが、今回の目的からは離れた部分もしっかり読み込みたい。
ユング・フロイトの話はどちらかというと大乗仏教、小乗仏教的な方面かと思うので、同著者の「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」も読みたい。

●出典
飲茶  史上最強の哲学入門 河出書房新社 2016年


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