フルタング ブッシュクラフト ナイフ
フィンランドのプーッコメーカーWoods Knife社、ここのプレデターというモデルに使われているブレードがある。同社のHarri J Merimaa氏のデザインでフルタング、ドロップポイント、スカンジグラインド(マイクロベベルあり)、高炭素鋼、刃厚3.2、良いブレードである。製造元はLauri’s Metal社、僕がいつも使っているブレードのメーカーで、鋼材の癖とか製造工程で起きる特徴とか判りやすい仕事をしている。このブレードで昨年に一本試作、ゴリゴリに使い倒してみた。突く、えぐる、叩き割る、そんな荒っぽい使い方である。小さなチップは見られたが、大きなダメージは今のところない。フェザースティックを削る際にも、刃先がスーッと木材の肌を薄く削いでいく、気持ち良いまでの切れ味を備えている。加えて研ぎにおいて素直で、砥石に対して敏感に反応する鋼材だと思っている。シャープ過ぎる研ぎ(刃保ちが悪い)でもややまろやかな研ぎ(長切れする)でも研ぎ手の技量次第で自由自在。優れたアウトドアナイフといえよう。
これを採用した本格的なブッシュ・クラフト・ナイフを作ろう。刃厚が3.2ミリあれば、薪を小割にしていくぐらいの仕事は任せられる。バトニングといって利き手に握った太い枝でブレードの背を叩き、当てがった薪材を割るのである。ハンドル材にはカリマンタン黒檀、カラースペーサに自作のペーパーマイカルタ。そして、シースには真っ黒なカイデックス。きっとすごい存在感のあるナイフになるだろう。
このブレードであるが、僕の手元にある3本以外に、じつは日本国内に少なくとも2本は持ち込まれている。当のWoods Knife社さんの中の人が以前にSNSでそう書いていた。が、しかし極めてレアである。どこかのキャンプ場で、スウェーデンのMORAなら被ることがあるだろうが、このプレデターはまだ日本ではあまり(たぶんまったく)知られていない。
「え? それナニ?」となることだろう。
上の写真に写っている僕の試作品では、自作の麻のマイカルタをハンドルに採用した。少し飽きたので今回の制作に合わせてリメイクしよう。日本の大工道具に使われる樫の材が、タフなナイフのハンドルにきっと似合いそうだ。
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