第38回議論「『地理総合』とは」 (「地理総合」研究チーム)


第38回は「地理総合」研究チームから「地理総合」B(2)地球的課題と国際協力について授業実践をご報告いただきました。

“国際協力”を“地域統合をつくる”に置き換えることで資源・エネルギーや人口問題を含んだ様々な視点から学ぶことができ、多くの課題が存在すること、国際協力が必要であること、みんなが協力することで困難な課題を解決できる可能性があることに気づき、生徒が課題や国際協力について自分事として捉えられるようになるということをお話しいただき、この単元を扱う際に他にどのようなアイデアがあるか話し合いました。

話題提供として、西(アフリカ)に行くほど赤道が北にずれる、インドの南が赤道に接している地図を書いてしまう先生が意外と多いこと、グループ学習でJamboardを使うときはそれぞれのメンバーに付箋の色を振り分けることで自分の意見を伝えやすくなり自分の考えを表現する訓練ができることなど興味深いお話もいただきました。

【以下、ブレイクアウトルームで出された論点】

・「アジア連合ができないのはなぜか」という問いからスタートし、アジア全体で様々 な課題があることに気づかせる
・日本の課題(資源や食料など身近なもの)をまず考えて国際協力に繋げていく
・誰のどのような視点で地域統合をつくるかで構成国がかわってくる。
・スタート(地球的課題にはこんなものがあるというのを映像を使って実感させる)とゴール(解決が難しい、ある国の幸福は他の国の不幸を招く可能性があるというジレンマを感じさせる)をイメージして授業を展開する
・地域統合のような政治的課題も絡むものを地理だけで考えることが現実にあっているのか?地域統合がブロック化になり、どこかの地域統合と対立するなど国際協力と矛盾する部分をどうクリアするのか
・新型コロナウイルスのワクチンを中心に考える
・日本がすでに地域統合で関係をもっている国はどこか、どのような関係か調べて国際協力を考え 
 る
・SDGsを観点にして考えてみる
・貧困に重点を置く。貧困は遠い国の話ではなく日本にもあり、貧困解決のためには国家だけでなくNGOや企業などたくさんのアクターがあることを伝え、自分にもできるという当事者意識をもつ。ダイヤモンドランキングで具体化するなどの方法をとる。
・小中で学んできたことととどう結び付けていくか。
・国益、地域益、地球益のジレンマを扱わざるを得ない。
・半導体の問題、どうして今日本で車で買おうとすると1年待つのか?や小麦の問題など自治的なテーマを地理総合で扱っても生徒はのってくるのではないか?公共とうまくリンクできるかもしれない。
・教員間でどんなグループが組めるか?音楽の先生と組んで地理を考えてみるなど。

                                 参加者29名

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