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ニートという表現を無くせば(たぶん)平和になる

 おはようございます、当方128です。

 先に謝っておきます。今日の記事、もしネガティブな感じになったらすみません。出来る限り良い方向でまとめていきたいとは思っていますが。

 本日「第三次ワクチン接種」があるということで、小売業では超珍しい3連休をいただきました。その初日であるにも関わらず気分がそんなに晴れません。理由は省略しますが、とある予告編の動画を見て幻滅したとだけ言っておきます。

 かといってnoteの更新はあまり滞らせたくないので何かは書きたいのですが、今のネガティブな気分だと書けることが限られます。なのでいよいよ、批判を恐れて書くのを躊躇っていたこちらの話題に触れさせていただきます。

 5月24日、『ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』鐘嵐珠(ショウ・ランジュ)役でも知られる女性声優・法元明菜(ほうもと あきな)さんが自身のYouTubeチャンネルの生配信中での発言が炎上した問題。当該部分を切り取った動画はこちらになります。文字起こしもしておきます。

 やっぱり普通に起きて普通に通勤して普通に働いている人がこの世界の中で一番偉いからね。誇りに思っていいよ自分の事。
(中略)
 逆に、じゃあ、あの学生さんはアレだよ、学生さんはまた話別なんだけど、じゃあ実は俺ニートなんだよねって言う君。この配信聴いていて、実はニートなんですよって言う人。

 ニートはね、意味のあるニート期間と、意味のないニート期間があると思っていて、「溜めの時」と「逃げの時」があると思っているのね。

「溜めの時」は、何かやりたいことがある、もしくは何かやりたいことを探していて、自分の人生を悔いないように生きる為に考え事をしているニート。それはね、わたし的には周りの目は痛いかもしれないし自分は罪悪感あるタイプの人も居るかもしんないけど、私は別に良いと思う。それが何年になるかは知らないけどね(中略)別に良いと思う。そのニートの期間を活用してニートにしか考えられないことを考えたら良いじゃん。(中略)一日24時間何しても大丈夫な人間にしか考えられないことってあると思う。存分にそれやれば良いと思う。

 ただ、「逃げ」のタイプのニート。とりあえずやりたくないことがあるからニートしている人……は、今すぐ働け。あんまり親を悲しませないほうが良いよ。

 オニオンスープうまっ。美味いなオニオンスープ。

 最後の一行は要らないと思うかもしれませんが、オニオンスープが美味いって実は大事なことです。詳しくは後述します。

 今は文章の構成とかもあまり考えたくない気分なのでいきなり本心を言うと、何故この発言が炎上するのかが分かりません。確かに一部の層の心を抉ったのは事実かもしれませんが、本人を謝罪に追い込むまでしたのはやりすぎだと思います。

 この切り抜き動画だけだとニートに対する言及が大半を占めていますが、一番言いたかったことは冒頭の「普通に起きて普通に通勤して普通に働いている人がこの世界の中で一番偉い」だったのでは無いでしょうか。

 仕事というのはどうしても評価される世界なので、「働くのは当たり前で、その上で更に人から認められなければそのうち居場所が無くなる」というのが多くの会社の基本的な考え方です。だから平社員の私は今も苦労していますし、いつ会社に淘汰されるか分からないという危機感の中で働いています。そんな私のような人々に「普通に働いている人が偉い」と気付かせてくれただけでもこの発言は大きな意味があったと思います。

 だからこそ、ここでこの話をやめておいて、ニートへの言及は一切避けるのが最適解だったのかもしれません。それでもあえて「逃げのニートは今すぐ働け」と命令形で喝を入れたということは、法元さんなりに強く思うところがあったのでは無いでしょうか。

 そもそもプロの声優になるだけでも狭き門ですし、ましてや『ラブライブ!』シリーズの声優になるのは天文学的確率です。法元さんは中国語が堪能という点でアドバンテージがあったとは思いますが、だとしても京セラドームで歌って踊るようになるまでに相当な苦労をされてきたはずです。そんな人だからこそ言いたいこともあるでしょうし、その発言を否定する権利も我々には無いと思うのです。

 ニートへの言及をした上で「オニオンスープうまっ」と発言したのは、おそらく「働いているとご飯が美味しい」と言いたかったのだと思います。私もそうです。働いた後のラーメンや、居酒屋で飲む一杯目のビールがなんやかんや一番美味しいです。この配信は朝でしたが、もちろん朝食だって美味しく感じます。一日の中に何時間も働くというルーティーンを組み込むことで、それ以外の時間に喜びを感じられるのです。

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 で、ここからが大事な話です。私は元から法元さんを好意的に見ていたのであまり悪く言いたくないのですが、彼女の理論には一点だけ「抜け」があります。

「働きたくても働けない人が居る」という視点が抜けています。

 何らかの病を抱えている人、過去のトラウマから一歩を踏み出せない人、あるいは親の介護でずっと家に居なければならない人、などなど。

 色々なパターンがありますが、ほぼ共通して言えるのは「過去に働いていた」人たちなのでは無いでしょうか。

 過去に働いた時に色々頑張って苦労した結果、心の病やトラウマを抱えてしまった人は、思い切り休んで良いと思います。何なら私もそうなる可能性はありました。ただギリギリのところで持ち堪えて今も何とか働いているというだけです。

 私はそのような人たちは「逃げているわけではない」と思いますし、ニートという言葉も当てはめたくないです。「休んでいる」だけなのですから。心を保つ為に、言い換えれば「生きる為に」休むのは決して悪いことではありません。

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 私もこの記事で便宜上「ニート」という言葉を多用してしまったので矛盾するのですが、そもそも「ニート」というネガティブな表現をこの世から無くせば炎上しない平和な世界が訪れると思います。じゃあどんな言葉が適切かというと難しいのですが、「無職」や「引きこもり」もネガティブだから避けたいし、「被扶養者」でギリギリセーフでしょうか。いやしっくり来ない。となるとストレートに「社会を休んでいる」ですかね。

 私もこの記事を最後にニートという言葉を使わなくするので、今読んでいる皆様の一人でも別の表現にしてもらえれば、某予告編の絶望感に身を任せて勢いで書いただけのこの記事も少しは意味があったのかなと思います。

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