見出し画像

『ラブライブ!スーパースター!!』京極監督、花田脚本に贈る歌

※10月毎日投稿挑戦中。土曜は『 #エッセイに贈る歌 』。

 昨日の休憩時間、久しぶりにB子とアニメの話をすることが出来た。
 コミュ障故に上手く話せない、上手く伝わらないことも多々あったが、収穫は一つだけあった。

1.少し長い前置き(飛ばしてOK)

 話の流れを上手く汲んだ上で、前田さん(仮名)が声優の前田佳織里に似ている話を初めて人前でした。前田佳織里の写真を見たB子の反応は、

「いや全然似ていないじゃんw」

 だった。

 どうやら私の思い込みで、実際は前田さんと前田佳織里はそんなに似ていなかったようなのだ。否、そこは良い。むしろその前提を踏まえた上で「全然似ていないじゃん」というツッコミが自然に出てきたことに意味がある。

 もし本当に似ていない、でもそれを相手に言いづらい、そんな薄い関係性であれば「……ああ、なるほど」みたいな反応になり、微妙な空気になってしまうはずである。つまり、B子が私に気軽に突っ込めるほどには一歩踏み込んだ関係になっていたということ。そうなったところでB子には既に彼氏が居るから何も無いのだが、コミュ障童貞が若い女性とそういう関係になれたという実績を残せただけでも素直に嬉しいと思った。嫌な事が続き落ち込んでいる最中の唯一の救いだった。

2.『ラブライブ!スーパースター!!』を勧めたかった……

 なんやかんやあって話題は『ラブライブ!』へ。B子は無印(初代)全話と『サンシャイン!!』(2代目)1期の数話しか観ていないという。女性オタクはそういう人が多い。初代は男性はもちろん女性人気も高かったが、2代目以降の女性ファンが圧倒的に少ないことはライブの客層から明らかになっている。

「サンシャインは2期まで通して観れば総合的に『なんだかんだ良かった』と思えるので、続きも是非観て下さい。あと曲はサンシャイン(Aqours)が一番名曲が多いので、せめて曲だけでも聴いて下さい」

 私はこう話したが、3代目(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)と4代目(スーパースター!!)を勧めることはしなかった。したくても出来なかった。

 どちらも1期はストーリー・楽曲共に最高傑作と言える。問題は2期だ。特に『スーパースター!!』の2期。こちらは最近、最終話の放送を終えたばかりだが、確かに面白かった。面白かったし感動したのは事実だ。しかし、「自信を持って他者にお勧めできるか」という観点で考えた時に、それは厳しいと思った。

 作品の批判記事は書かないと先日書いたばかりだし、そもそも批判したいわけではない。前述の通り個人的には(細かいツッコミどころを除けば)面白かったと断言できる。ただ、もし他者に勧めて、その人が10時間もかけて1・2期計24話を観た結果「つまらなかった」という感想を持ってしまったらどう責任を取れば良いのか。その可能性が少なからずあるのがスーパースターなのだ。

 それを言ったらサンシャインのストーリーも賛否両論あるだろうが、B子のように1期の数話で視聴を切るのは流石に勿体ないからあえて勧めた。それが限界だった。

 正直、悔しい。スーパースターを自信を持って他者に勧めたかった。『リコリス・リコイル』くらい完成度の高い作品になって欲しかった。せめて『SPY×FAMILY』レベルの出来であって欲しかった。冷静かつ客観的に考えれば、スーパースターは1期はまだしも、2期はその2作品に及んでいるとは言い難い。

 本来『ラブライブ!』というコンテンツは声優がライブでアニメの楽曲を再現するまでがセットだから(ライブで化けた『ノンフィクション!!』の例もある)、アニメ単体で評価してはいけないのかもしれない。だからと言ってB子に「アニメ全話観て8000円出してBD買って封入シリアルでライブを申し込んで、来年3月に片道1時間かけて極寒のベルーナドームまで観に行って! そこまですれば良さが分かるから!」なんて言えるわけが無いのである。

 何より、あの無印を生み出した京極監督×花田脚本のタッグが帰って来たのであり、実際1期の3話までは神すぎる展開だった。2期も4話と……まあ6、7話も、あと9、10話もギリ良かった。しかし『リコリコ』は最終話まで視聴した上で全話を総合的に判断しても「神アニメ」と言える。それくらいの感想を持ちたかった。そして自信満々にB子に勧めたかった。

 神過ぎる1期3話、それを締めくくる楽曲『Tiny Stars』を、監督と脚本には改めてお聴きいただき、当時の熱意を思い出していただきたい。ここに至る展開を作ってくれたのは他でも無いあなた方なのです。本当に感謝しています。3期での挽回を心より期待しています。

♪Tiny Stars/クーカー(澁谷かのん、唐可可)(2021)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?