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どうした指原莉乃!? TVで魅せるカリスマ性はどこへ……YouTubeというセルフプロデュースの難しさ

 元AKB48・HKT48の指原莉乃が2021年の幕開けと共にYouTubeチャンネルを開設した。チャンネル登録者数は既に31万人と、3週間弱とは思えないハイペースで増加。現時点で既に3本の動画が上がっているが、その全てが70万回以上も再生され、高評価も2万以上、コメント欄も肯定意見で埋め尽くされている。

 しかし、私は少なからず違和感を感じている。確かに内容は悪くないが、あのバラエティー番組のカリスマとも言うべき指原が「無難」「置きに行っている」感が否めず、これで本当に良いのかと思わざるを得ないのだ。

 今回は『さしはらちゃんねる』の個人的に思う良い点、改善点をまとめてみる。彼女の実力はこんなものではないはずだ。

1.セルフ編集はもっと評価されるべき

 いきなり私個人のこだわりになるが、OPジングルを除けば全て指原自身が動画編集している点は高く評価したい。芸能人YouTuberは編集を委託する人が圧倒的に多いので、TVだけで8本のレギュラー・準レギュラーを抱える多忙な指原が自分で編集しているのはかなり好感が持てる。まだBGM無し、テロップもシンプルな白色・黒縁デザインのみで、カットイン時にSEも入れていない、本当に初心者感満載のクオリティーではあるが、突っ込みテロップなどのセンスは高いと感じるので、あとは技術さえ追いつけば完成度はグッと上がるだろう。

2.高級な商品もさらっと扱うから嫌な感じがしない

 良い点はまだある。指原はどう考えても金を持っているので、時折高級なものが出てくるのだが、それを日常風景の中に溶け込ませるようにさらっと紹介しているので、観る側が羨みや妬みなどの不快な気分にならないのである。

 例えば3本目の購入品紹介動画では、自宅の廊下という地味極まりない場所でファッションショーをするという、女子YouTuberの多くがやっている庶民的なシチュエーションの中で10万円のバッグをさらっと出してくる。2本目の動画でも3万円もする肉の詰め合わせを見せるのだが、金額を言う前に商品のボリューム感や脂身のツヤツヤ感をしっかりカメラに映しているので、そりゃこの金額になるわなと納得させられる。

(2本目の動画)

(3本目の動画)

3.広告を入れていない

 これは現時点での話なので今後は不明だが、芸能人YouTuberが広告掲載を切っているのはそれだけで好感が持てる。チャンネル登録者数1000人以上、年間視聴時間4000時間以上という収益化の条件は素人にはとても厳しいが(今から始めるならほぼ不可能レベル)、元より知名度のある芸能人にとっては容易く超えられる壁なのでアンフェアだという批判意見も多い。しかし収益化せず趣味の範疇でやっているなら話は別になる。特に70万回以上も再生される指原は、今後も続けていくなら総額でかなり高い収益が見込めるだけに、それを潔く捨てるのは素晴らしいことである。

4.内容が普通

 さあ、ここからは改善点となるので気分を害されたくない方はブラウザバックを推奨する。ただ1点目としてはそれほど悪い点でもない。ただ内容が月並みであると言いたいだけだ。魚のフライや肉を焼いて食べ、GUで買った服でコーデを披露する。金額の話を抜きにすれば素人YouTuberにも出来ることだ。ただ、そのような素人の真似事を推しがしている様を見てみたいというファンも多数いるはずなので、あくまで外野から見た個人的な意見であると付加しておく。

 ちなみに1本目の動画で「今後はメイク動画をやりたい」などと語っているので、企画については誰かの助言が必要なレベルかもしれない。

5.コメント力がTVのそれではない

 これには本当に驚かされたが、食リポやファッションに対するコメントにおいて、語彙力が乏しい。肉の脂身を「デロンデロン」、見栄えがあまりにも良すぎて「偽物みたい」、ワンピースにベルトを付ければ「良いじゃん良いじゃんやってんねえ~」と、粗を探せば枚挙に暇がない。

 TVのバラエティー番組のほうがもっと的確で共感性の高い言葉を選んでいるのに、あのカリスマの指原は何処へ行ったのか。また昨年4月、峯岸みなみのチャンネルに出演した際はコメント力に驚かされた記憶もある。的確な言葉で突っ込み、時にはブッ込みもしつつ、建設的な議論さえも行っていた。

6.猫が邪魔をする

 これは飼い猫の居るYouTuberあるあるなのだが、撮影中に不意に猫が通りかかると動画の流れを止めてしまい、多くの場合リズムが崩れるし、尺も無駄に長くなるのだ。HIKAKINが最たる例だが、指原も例外ではなかった。動画の内容と全く関係ない猫のシーンを挟む必然性は感じないので本来はカットすべきなのだが、猫自体の画力は強いのでカットしづらいジレンマがあるのだ。

7.というかただしゃべるだけで良い

 ここまで色々書いてきたが、そもそも指原がYouTubeを始めたのは、TVでMCポジに立つことも多い関係上、自分のことを話す機会が減ってしまい、ファンの為に自分がたくさんしゃべる場を作ろうと思ったのがきっかけだと1本目の動画で本人の口から発している。

 それなら余計なことはせず、ただしゃべるだけで良い。食リポやファッションショーでは良いコメントを残せなかったが、何のシチュエーションも無しにただしゃべくり倒すだけでも、彼女なら、数々の伝説を残してきた指原莉乃であればいくらでも面白く出来るはずなのだ。

 アイドルグループのプロデュースや作詞まで手掛ける貴方なら、セルフプロデュースも出来ると信じている。

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