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『M-1グランプリ2023』全ネタ感想

 おはようございます、当方128です。
 31日まで激務な仕事が続く上に今年は転職活動も並行しているので、M-1感想記事は諦めようと思っていたのですが、どうしても言いたいことがあるので今こうしてペンを取っています(取っていない)。

 というわけで今回は、12月24日に放送された『M-1グランプリ2023』決勝ネタ計13個の感想と、その後に何かぶっちゃけます。

【※注意1】
 昨年の感想記事は「全て褒める」ことを意識しましたが、今年は必ずしも褒めるとは限らないことをご了承下さい。

【※注意2】
 ネタを以下の4系統に分類した上で感想を書いています。

(1)単発ネタ乱射系
 単体のボケを乱発するパターン。ボケ同士の繋がりが無く、ストーリー性が薄いのが弱点。

(2)物語(フリとオチ)系
 前半のフリがあるからこそ後半のオチが活きて大きな笑いになるパターン。前半の笑いが薄くなりがちなので、後半で巻き返せるかがポイントになる。

(3)狂気系
 狂気に満ちたキャラを出し、笑いよりも驚きや困惑、恐怖などが先に来るパターン。笑いはその中で副次的に生み出されるものに過ぎない。

(4)喧嘩系
 古くは極楽とんぼ、現代では見取り図が良い例。特に後半で喧嘩すると大きく盛り上がる。


1.ファーストラウンド感想

1-1.令和ロマン

 いきなり上の4系統のいずれでも無い新感覚パターンで困惑。客席も審査員にも好評だったことにまた困惑。個人的には「髭を繋げる云々」の掴みがハマらず、その後も全体的にハマることはありませんでした。日体大は面白かったです。

1-2.シシガシラ

 また新感覚パターン。掴みの「てっぺんだけ禿げている奴にやれよ」面白かったですけどね。ただハゲネタのみで4分乗り切るのは賞レースでは難しいかなとも思います。でもキャラは好きです。平場で重宝されそう。

1-3.さや香

 やはり喧嘩系はめっちゃ面白いです。終始新山さんが声を張り上げていますが、途中から石井さんもキレて喧嘩になるという二段階の面白さがあります。関係ないですが、ウエストランドも途中から河本さんもキレて喧嘩になるほうが絶対に面白いと昨年から言い続けています。

1-4.カベポスター

 一番面白かったのは“最後何か言った”ことです。

1-5.マユリカ

 ようやく狂気系(阪本さん)の面白さを味わえました。狂気度が徐々に増していき、「ズッキンズッキンプッチンプリンです、ポンピーン」で最高潮を迎える構成はお見事。

1-6.ヤーレンズ

 狂気系と単発ネタ乱射系のハイブリッド。面白くないわけが無い。さや香と3点差での2位は実質1位です(?)。さや香はレジェンドなので仕方ない(??)。

1-7.真空ジェシカ

 昨年同様、単発ネタ乱射系で安定の面白さがあります。私の見たかったものを見せてくれました。「映画泥棒が勝った」みたいなのをM-1で見たかったのです。これで5位はおかしい。

1-8.ダンビラムーチョ

 先に言いますと、発想は超好きなんですよ。狂気系になるのでしょうか。ただ(後半組の宿命ですが)狂気系で挑むからにはまずマユリカやヤーレンズを超えねばならないわけで、人力カラオケボックスだけでは2組の狂気を超えられていませんでした。となると真空ジェシカみたいに単発ネタも乱射しないと勝負になりません。例えば「新曲入った」で『アイドル』という今年の曲を持ってくるのではなく逆に昭和の曲を持って来るとか、DAMチャンネルのMCも元木大介より面白い人はいくらでも居たはずですし、もっと細かいボケを増やしていれば……。

1-9.くらげ

 突っ込み(渡辺さん)のほうが狂気系という斬新(?)なパターンでした。私は好きですけど、審査員の年代には刺さらないのかもしれません。

1-10.モグライダー

 これも私は好きなネタですけどね。オチが他の芸人のパクリなのは良くなかったかもしれませんが。このコンビの欠点はオチだけです。つまりほぼ完璧です。あと『ジョンソン』も面白いですから!

2.ファイナルラウンド感想

2-1.令和ロマン

 掴みは髭にしない方が良いと思いますが、客席は大ウケなのですよね……。ネタは1本目よりは確実に面白かったです。ただ優勝かどうかと言うと……。

2-2.ヤーレンズ

 2本目も狂気系と単発ネタ乱射系のハイブリッド。審査員も言っていますが、全部面白いのが凄いですね。これで優勝できないのはおかしい。あ、さや香がいるからか(?)。

2-3.さや香

 私は3組の中で一番好きでしたけどね。何度も大笑いしました。喧嘩を封印したのは悪手だったかもしれませんが、狂気系として見ればめっちゃ面白いです。“意味不明なネタ”で終わってはいけないのです。“意味不明なことを延々と話している狂気な人のネタ”だと思えば最高に面白く感じるのです。山田邦子さん……。

3.最後にちょっとだけ言わせてくれ

 もう2000字になるほど長く書いてしまいましたが、一言でまとめると「令和ロマンは私には合わなかった」に尽きます。ファンの皆様ごめんなさい。人によって合う合わないは全ての芸人に言えることなので許して下さい。

 審査員の審査方法で気になったのは(毎年の事ですが)客席にウケたかどうか(=客観性)を意外と重んじる傾向にあることです。審査員は主観100%で点数を付けても良いと思います。客席のウケも重視するのであれば、観客も事実上の審査員になってしまいます。そして我々視聴者は客席の皆様のことを全く知りません。笑い声から若い女性が多いことくらいしか推測できません。それなのにヤーレンズ2本目の「ラブ・ストーリーは突然に」は32年前の曲にもかかわらず笑いが起きているのです。

 このジャケットを知らないと笑えないはずなのです。確かに楽曲は有名ですが、32年前のジャケ写まで今の若者は知っているものなのでしょうか? 37歳の私ですらギリでしたよ。そんな笑いのツボが良く分からない観客も事実上の審査員になってしまっている。

 何が言いたいかと言うと、観客のウケも重視した大会なのに、その観客と視聴者に信頼関係が無いから令和ロマンの審査結果に疑問を抱いてしまったのかもしれないということです。そして、観客にも審査員にも大ウケして優勝したのは、会場の空気感も大きかったのではないかと思います。私のように画面越しで観ている人がワーキャー言っても野暮なのかもしれません。

 色々書いてすみませんでした。なんやかんやM-1は年末商戦で疲れ切った身体を癒してくれる最高のお祭りです。素晴らしい大会を今年もありがとうございました。さや香はそろそろ報われて欲しい……。

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