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【5/20~5/26の週記】カラマーゾフの兄弟やっと読んだとか、八月の御所グラウンドとか

・カラマーゾフの兄弟、読み終わりました。読み始めたのが3月初めなので……。時の流れ、早いね!?

・ずいぶん時間がかかったけど、それは自分の精神的なムラとか仕事が始まったりとかの生活の変化のためであって、そんなに手こずったという感じはしなかった。むしろ想像していたよりずっと読みやすかったし、大部分は楽しんで読めた。

・さてまあ、歴史的超有名文学作品を読んでみて、ものすごーく感銘を受けたか、と言われると、正直自分の浅学さのせいでそんなことはないのだけれど。でもやっぱり、当時のロシア文学はキリスト教思想と切っても切り離せないし、カラマーゾフの兄弟においても「神がいなければすべてが許される」というイワンの発言にもあるように、「モラルを宗教が担保していた時代」の作品でありながら、現代の無宗教な日本人である自分のモラルにも響くものを持っている作品だな、ということで、作品の「凄み」みたいなものは味わえたと思う。

・「神がいなければ」なんて言いながら、各登場人物、特にドミートリーの行動規範とかは、名誉とか恥の意識とか自分なりの善悪とか、その時々で色んなものに照らし合わされて変わっている。大審問官の章の「地上のパンと天上のパン」とかもすごく印象に残ったけれど、「神に対して(恥ずかしくないかどうか)」っていうのはイコール「自分に対して」でもあって、結局呼び方が違うだけで、モラルを担保できるのは最終的には自分しかいないんだよな。

・とかなんとか考えながら読んでた。新約(といっても20年間だが)の最終巻には訳者による解説が載っていて、こちらも大変面白かった。ドストエフスキーが処刑されかけたのは知ってたけど、その影はその後の作品全体にずうっと影響を及ぼしていたんだね。精神的なことだけでなく、下手なこと書いたらまた逮捕されるで、という実際的な面でも。

・あと読んだもの

・「鴨川ホルモー」の万城目さんの直木賞受賞作ということでたいへん期待して読んだけど、なんかあっさりめじゃない? 分量的にも短いし。いや、実際二編とも短いながらに爽やかで青春で楽しかったけれども。もっと濃いのいっぱいあったくない? なのにここで直木賞なんだ、みたいな。まあ直木賞とかはいろいろタイミングの問題があるんだろうな。

・そんなこんなのバイアスなく読めばとても良い気分になる青春小説でした。「十二月の都大路上下ル」も大変よろしかった。

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