#5 サーフィンってなんだろう編【オーストラリア海外研修】

みなさんの中で、サーフィンをやったことがある方はいらっしゃいますか。それは、どこで経験しましたか。沖縄?ハワイ?
サーフィンをすること自体、なかなか機会がないと思います。
その機会が、私の場合、オーストラリアで訪れました。
しかし、あんなに難しそうなこと、私は怖くてできません。そもそも、海には潮干狩りでしか行ったことがないんです。もちろん、泳いだこともありません。
最初は断りました。オプション2として用意されていた、海岸散歩の方を選びました。日本にいるときから、「泳がないから、水着持っていかない。サーフィンもしない」と決めていました。
しかし、顔を上げると、クラスで、自分以外全員サーフィンを選択している。
隣に座っていた中国人の友達もノリノリ。
「サーフィンするの……?」と聞くと、「もちろん!」
「やったことあるの?怖くないの?」
「やったことない!怖い!でも、楽しい!絶対楽しい!」
「え……じゃあ私もやろう……かな……?」
「やる!やろう!楽しいよ!」
と、かわいらしい日本語の話し方にやられました。
こうして、オプション変更。
前述の通り、水着を持っていっていなかったので、買うところから。
これがまあ、高い高い……!
余裕で一万円越えです。これなら、持っていくべきだったのだろうか……。
サンダルもないことに気づき、クロックスを見つけて購入。
棚にも札にも値段が書いてなかったのですが、買わないといけないものなので、そのままレジへ。
約8800円。うん、高い。本物だ。
とにかく、これでサーフィンをする準備は整いました。

さあ、やってきたぞ、海!
少し雨が降っており、雲行きも怪しく、大丈夫なのかと心配しましたが、なんとか決行はできました。その後ものすごい勢いで晴れましたし。
ライフガードなのかよくわからない服を着て、いざ海辺へ。荷物は草むらの上に放置という、なんという自由っぷり。
裸足で砂を踏むのは初めてだったので、独特の感覚に驚きました。こんなに柔らかいのに、途中で止まる。温かいのか冷たいのかも微妙で不思議。
安全確保のため、二人一組になって、サーフボードを携えます。準備運動はなかったものの、プロのサーファーの先生たちから、サーフボードでの立ち上がり方をレクチャーしてもらいました。
ほとんどの人がサーフィン初体験。私は真っ先に「先どうぞ!」とペアの子へ。
海に入っていく仲間たちの後ろ姿を、遠目に見守りました。
水がとにかく冷たい。波の勢いも強い。
みんな、キャーキャーと声を上げながら、波に立ち向かっていました。サーフボードにしがみついても、落ちてしまう子ばかり。それでも、最初の数秒だけでも立てる人がいて、感心しました。運動神経、もとい平衡感覚が優れてないと、無理だ、これ……。
このまま未経験でもいいかな、と諦めるくらいでしたが、ペアの子が戻ってきて、交代に。
私はド緊張で海の中に進みました。
しかし!波がはちゃめちゃに強い!
いくら前に進んでも、すぐに押し戻されてしまう。私はそれを十回、いや、二十回以上繰り返し、むしろその場から動けなくなりました。
心配してくれたペアの子が、「大丈夫?」と声をかけてくれ、私はどうやったら前に進めるの?と聞きました。
「進むしかない」
んー、無理。
でも、本当にそれしか方法がないらしいので、もう一度挑戦。
波がきても、足に力を込めて耐える。波が来ていないうちに、進みまくる。
しかし、ここで私は戦慄するのです。
ものすごく大きい波が、迫ってきている。
高い、あ、無理、終わった。
無事に波にのまれ、その場で三回転。いや、無事にじゃない。地に足をつけようと必死。
海の中で三回転するなんて、恐怖でしかないですよ。
かつ、知らなかったんですけど、海水ってこんなにしょっぱいんですね。
口の中がフィーバー状態になって、泣きたくなりました。ただの、しょっぱい、じゃない。塩を丸飲みしたみたい。
私はもうほぼ諦めました。
サーフィンどころじゃない。サーフボードにも乗れない。まず、海に近づくことができない。
一旦ペアの子にバトンタッチし、私は考えました。
なんで、みんなそんな海に近づけるの。私、立ち往生なんだけど。
しかし、せっかくお金も払って経験しているので、こんなんで終わるのはもったいない。

自分の番になって、私はサーフボードを横に携えるという技を覚えました。
これなら、大きな波が来ても、サーフボードと一緒に浮くことができるのです。え、じゃあさっきまで、どうしていたの? そりゃ、前に構えていましたよ。波の影響もろ受けですよね。
かつ、無理はしない。頑張って、なるべく奥に進もうと思わなくていい。自分の対応できる範囲内で。
結局、海岸近くではありましたが、ついに私は、波に背を向けました。サーフボードにしがみつく。さあ、波よ、来い!
一回目は、途中でサーフボードから手を離してしまい、またもや転倒。流れるって、こういうことなんだと思いました。
ただ、自信はついた!もう一回だけやったら、もう終わりにしよう!
そうして、もう一度よっこらせと海の中へ。
二回目は、なんとかしがみつき続けることができて、海岸までぴゅーっと到達しました。
楽しかった!なにより、達成感ある!でも、もういいかな!
そんなこんなで、「サーフィン体験」とはほど遠い「波乗り体験」を終えて、残りは浜辺に座ってのんびりしました。やっぱ、このくらいゆっくりした方がいいよ、うん。
改めて、悠々とサーフボードを乗りこなす先生たちに、感動と尊敬を覚えました。

その後は、着替えて昼食(キッシュとバナナシェイク)を食べたり、ベンチに座って海を眺めました。帰りは、せっかくなので街探索の意味も込めて、バスに乗らず歩きました。見知らぬ土地はいつも緊張するのですが、このときはゆったり流れる平日の午後の雰囲気に、のんびりと散歩のような感覚で楽しめました。
かなり暑かったんですけどね。
最初はする気がなかったサーフィンを、クラスメイトの誘いも受けて、経験することができてよかったです。たまには、勇気を出して飛び込むことも大事なのだと思いました。また、自分の身長より高い波が来ても、逃げずに立ち向かうという勇者のような心意気も取得しました。

翌日、日焼け止めを塗っていなかった私の顔は、鏡で見ると恐ろしいほど焼けていました。特に鼻の先が痛くて痛くて仕方なかったです。あれ、なぜかこれを書いている間にも、思い出して痛くなってきた……。
海の反射で、焼けるんですね。あんなにきれいなのに。

次回、シドニー二回目。フィッシュマーケット、クイーン・ビクトリア、ハイド・パーク・バラックス編です。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
では、また。

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