#8 勇気と孤独のカレッジ生活編【オーストラリア海外研修】

今までのきらびやかな(?)な生活から一転、現実的な話をします。
過去にnoteにも書いたことがある通り、私は高校時代ぼっちでした。そして、現在こそ友達に恵まれていますが、やはり自分から話しかけるのは苦手なタイプ。
そんな私が、出会って二週間ちょいの子たちと、庭園をお散歩するなんて、難しかったんです。

授業の一環として、みんなで近くの庭園をお散歩する日が設けられました。
元々、色んな大学からこのプログラムに集い、レベルに合わせてクラス分けがされています。ただ、他のおな大(同じ大学)の子たちはそれぞれクラスが一緒、となっていたのに、私だけ一人でした。つまり、15人くらいのクラスに、自分と同じ大学の人はいない。
それでも、会話中心の授業なので、いっぱい色んな子と話して、いっぱい笑顔になれました。むしろ、周りに初対面しかいないので、吹っ切れているというか。
今書いてて思いましたが、この滞在中の一か月、元々知っている人に出会ったのは、自分の大学の英語の先生が、後から合流したくらいでした。まあ、先に帰っちゃうんですけど……。
となると、本当に初対面しかいない空間だったのか。ちゃんと乗り切れた自分の成長に感動します。
話を戻して。
今回のお散歩は、この海外研修・留学プログラムに参加しているクラス全体で行われるものです。
要するに、多くのクラスが一列になり、庭園を歩き回ると。
そして、ここで私に悲劇が訪れるんです。
クラスメイトとは充分仲良くなっているつもりでしたが、やはり発生する「いつメン」問題。
結論からいうと、一緒に横を歩く友達がいませんでした。
前にも人がいっぱい、後ろにも人がいっぱいいるのに。
大勢で、ほぼ日本語を喋る人で列を成しているのに。
どうして私には、歩きながら会話をする友達が、隣にいないんだろう。
結局、何十分間も一人で歩く。
周りに人がいる中での、孤独。
そんなものを、すごく覚えました。
一人じゃなくても、独りだったんでしょうね。

そんなこんなですっかり傷心的になってしまった私。
途中休憩でクラスでやった人狼ゲームでも、何もしていないのに疑われ、吊られるし(普段からそのタイプですが、まさかオーストラリアでもなるとは)。
庭園お散歩が午前で終わって、さあ解散。となっても、みんな友達同士で歩いて去っていく。
このあとの予定なにもないの、私だけ。
もし、ここでどこかのグループ(予定ないけど集まっているグループ)に声をかけていたら、また何か変わっていたんでしょうね。
とにかく、当時そんな勇気はないので、一人で泣きそうになりながら庭園を出る。
お昼もどうするか決まっていない。

とりあえず、大学内のスーパーに入りましたが、徐々にこみ上がってくる孤独。
私は一人で何をしているんだろう。どうして、一人で行動しているんだろう。
涙が出てきて、止めようと思うほど流れて、どうしようもなくなりました。
大学内のスーパーで泣いているヤバい奴になるので、なんとかハンカチで拭って、人が来たら見られないように背を向けて。
これは一旦どこかでギャン泣きした方がいいかもしれない、とさえ思いました。
また、イライラも止まらなかったので、今日ぐらいいいや、とポテトチップスを買いました。カルビーのもので、パッケージの表紙はバリバリに日本語です。食べ比べてみたかったという理由もあり。まさか、このタイミングがこんなときだとは思わなかったけど。
あと、他のお店で買ったサンドイッチを携えて、外の芝生のベンチに座りました。
もちろん、道行く人の視線はありましたが、そこは自由な国、オーストラリア。
他にも一人で食べている人が大勢いるので、「寂しいやつ」には見られない。
日本だったらきつすぎて諦めたでしょうけど。ここでは、「大丈夫だ」と自分に言い聞かせつつ、食べ物をほおばりました。
ちなみに、ポテチ、おいしかったです。でも、塩の味がなんだか異なるように感じました。
そして、先程、一度涙を引っ込めた私は、もう一度泣こうと思いました。
でも、ふと考えたのです。
このまま泣いていても意味がなくないか?と。
むしろ、一人になれたんだから、自分の行きたいところ行って、自由に過ごせば?と。
自分の好きなように過ごす。
せっかく、お金を払って、オーストラリアに来ているんだから。
観光じゃなく、大学生の肩書きを持ってきているから。
何か大変なことがあっても、日本の先生に連絡すればいい!
方向がちょっとずれましたが、大切なことは一つ。
一人でも、充分に楽しめる。
ある意味、反抗心のようなものでもありました。
ああ、いいよ、一人でも。思いっきり楽しんでやる!
無事に気持ちの切り替えができて、私の涙は完全に引っ込みました。
代わりに、これからしたいこと・行きたいところがぐんぐん湧いてきて、わくわくしてきました。
さあ、動こうじゃないか。

バスに乗って、目指すは「地域の図書館」。
前回、サーフィンの帰り道に見つけて、いつか訪れたいと目星をつけていました。
ショッピングモールでいつも降りる停留所を素通り。
そこを五分ほどいった場所にありました。
と、果たして地域住民でない者が入っていいのか不安になりましたが、とりあえず飛び込もう。
特に身分証明などはなく、すんなり入れました。
平日だからか、人が少ない。
ここで、本屋との違いを感じます。図書館ならではの雰囲気というか。
目立つ赤い値札はなくて、ただずらーっと本が並んでいる。高さが低い棚が多くて、館内全体の見晴らしがいい。
角には絵本コーナーがあって、お母さんと思われる人が、2、3歳ぐらいの子供に読み聞かせをしていました。なんとも平和な光景。
他の場所では、イスに座って本に読み耽っている人や、机にノートを広げて、ひたすら書き込んでいる人もいました。
静かで、とても集中できそうな空間でした。
ちゃっかりここでも日本の漫画を見つけて喜び、気になる洋書は全部表紙の写真を撮ってきました。
やはり、私には本が欠かせないな、と思いました。
ずいぶんのんびりしたところで、ショッピングモールに歩いて向かいました。
いつもとは反対の道の、しかも通ったことのない道を行くので、すごくわくわくしました。
外国の町探索、楽しい!!

ショッピングモールに来た理由は、ただ一つ。
乗り越えたとはいえ、今日は涙を流すほど悲しかったし、寂しかった。
そんな自分を慰めるために、本を買おうじゃないか!
自分へのご褒美です。
私には、好きな外国人の小説家さんがいて、その作品の原書(英語版)を買いたいと、日本にいるときから計画していました。
しかし、自分の好きなシリーズはどこを、シドニーの本屋で探しても見つからず。店員さんに聞いても、「ないから取り寄せますか?」と。あと数週間で日本に帰るのに、何日かかるかわからないお取り寄せはできない!
そうして諦めていましたが、このショッピングモールで、同じ方の別のシリーズを見つけることができたのです。
店頭に、シリーズコンプリートセットとして、他のものと一緒に積み上げられていました。しかも、いくらか割引されている。
私自身は、このシリーズは未読でした。
また、十冊セットなので、割引されていれどお高いし、なにより重い。
スーツケースの重量オーバーで持ち帰れなかったら、これほど悲しいことはありません。
これらの理由から、私は購入しようか迷っていました。
しかし!今日、買ってしまおう!
なんてったって、ご褒美だから!
というわけで、私はそのコンプリートセットを購入しました。
一万円弱。まあいいでしょう。
気分はすっかり高揚し、日本に帰ってからの楽しみが一つ増えました。
つらいのは帰り道だけでした。
重い……本、十冊は重い……。
ちなみに、重量オーバーにならず、しっかり持ち帰ることができました。
もし、ぼっちの悲しみがなければ、このコンプリートセットは買っていなかったかもしれません。

私は、自分の機嫌は自分で取るということを、しかと学びました。
そして、自分の好きに正直でいる方がずっと楽しいこと、また、一人でも考え方次第で自由に動けることを学びました。
なんでもない平日の一日に、得るものが多かったです。
また、のんびり町探索しようっと。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
次回、観光地Kiamaへ。

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