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【朗読】天気雨

所要時間:2分
人数:1人用
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雨が降るとキミのことを思い出す
ボクが晴れ男、キミが雨女。
デートする前日、翌日の天気が晴れるか雨かで意味もなく競ったりしたね。

キミは雨が好きだと言っていた。
ボクはキミに出会うまで雨が嫌いだった。
キミは晴れの日は日焼けするから嫌いだと言っていたね。
いまは好きになっていてくれているだろうか。

僕らが会う日はなぜかいつも天気雨の日が多くて、争うことがないよう天気が気をつかってくれたとキミは笑っていたっけ。

あれから何年か月日が経ってしまったけれど、今も天気雨の日が来るとボクはキミのことを思い出す。
少しだけ茶色がかったキミの瞳(ひとみ)越しに見る雨がボクは好きだった。

あっ、虹がかかった。
キミもどこかで見ているだろうか。
虹を見た二人は幸せになれるんだよとキミは言っていたね。
今頃、幸せになれているかい?

ボクは雨越しの虹を見上げながらそろそろ行くよ。
きっと今日は天気雨になる予感がする。
そう、今日も引き分けだね(笑)

End

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