韓国ドラマにハマるまで

子どもの頃の話。韓国出身の子に、出会って早々「あなたは英語が下手だから仲間に入れてあげない」と言われたことがある。結局一緒に遊んでいたし、その子とは1年の付き合いで終わったのだが、幼い自分にはかなりショッキングな出来事として心に刻まれ、今も覚えている。

これを「トラウマ」と呼ぶのか「根に持っている」と言うのかは難しいが、以降の自分は何となく「韓国」に対する苦手意識を覚えてしまった。今となっては出身国の問題ではなく、その人自身の問題であることは分かるので、全く見当違いな苦手意識である。
ただ、そのおかげで冬ソナだの東方神起だので盛り上がっていた頃もそれらのブームを犬猿した。もはや「偏見」である。


そんな自分の心を徐々に開かせたのが周りと世間の熱狂。学生の頃、席が隣になった人がK-POPのファンで、ファンだというグループのメンバーの顔と名前を覚えさせられた。心から興味を持ったわけではなかったが、名前を聞けば「ああなんとなくわかるかも」くらいには覚えた。これがはじめの一歩。

そして少し時が流れ、SNSを始めると、韓国ドラマやK-POPについて話す人をよく目にするようになった。いわゆる「韓国ドラマの感想専用」「K-POPアイドル応援専用」ではないようなアカウントでも、韓国ドラマやK-POPについて話すので、自然と話題を目にするようになったというわけだ。


こうして潜在的な興味がどういうわけか顕在化し、自発的に韓国ドラマを観るようになった。初めは「恋のゴールドメダル」。邦題はダサいが、イ・ソンギョンがキュートで、ナム・ジュヒョクがイケメンだった。その次が「太陽の末裔」。設定は過酷の詰め合わせだったが、すべてが落ち着いた後の無人島でのあのシーンは”美しい”という言葉しか似合わない。

道明寺派と花沢類派に分かれることもなく、本気で道明寺を想う大河原滋も出てこない、初めから道明寺と牧野のラストしか見えないど真ん中のラブストーリーが自分にはストライクらしいことが分かった。「花より男子」も大好きだけど。


あの頃、少女時代を布教してくれたあの人に「それでも僕らは走り続ける」でスヨンを、「キング・ザ・ランド」でユナを観て、ちゃんと覚えたよ、と言ったら信じてくれるだろうか。

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