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短歌物語│#青ブラ文学部│その12@縁日のひよこ

山根あきら。さん企画
短歌物語│#青ブラ文学部
に参加させていただきます。
 
今回で12回目です。

なを、参加が目的なので、
「賞」は辞退させていただきます。😊


僕は小学5年だった。

とおちゃんが縁日にいって、
ひよこを買ってきた。
おすは5円で、めすが50円である。
とおちゃんは大きくなったら玉子が食べられると言って
めすを買ってきた。
僕のおこづかいは5円。
それで、大きなあめ玉が買えた。
50円は大金だ。

みかん箱にひよこをいれ
えさはぼくがあげた。
野原でひよこ草をつんできたりした。

ひよこは大きくなると
トサカがはえて、
朝早く、コケコッコーとなきはじめた。

えんにちで       とおちゃんメスの    ひよこ買う       大きくなると      トサカがはえた


朝早くからニワトリが鳴くもので、とおちゃんは「うるさい眠れない」といった。

事務所の庭でニワトリはきままに散歩していた。

ある日とつぜんニワトリが消えた。

とおちゃんが、今夜はごちそうだといった。
楽しみにしていたら、食卓には鶏の唐揚げが乗っていた。

一口かむと、ぐにゅっとした歯ごたえで、草のかおりがした。
僕は吐き出した。
なみだがとまらなかった。
とおちゃんはあやまったが
僕は許さなかった。

探せども        ニワトリいない     庭の中         その日の夕食      とりの唐揚げ



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